スミイカは、その名の通りほかのイカに比べ、大量のスミを作りだすことができる。身やゲソを食べるだけでなく、スミもパスタ料理などに用いる。東京湾では昔から、晩秋~冬の名物釣り物として、活きたシャコを使うシャコテンヤが人気だ。今回はシャコテンヤのタックルと基本的な釣り方を解説。また11月21日(水)、金沢八景の一之瀬丸でのシャコテンヤ乗船取材もあわせて紹介しよう。
恒例の船長レクチャー
11月21日金沢八景の一之瀬丸にシャコテンヤ釣りの取材に向かった。
受け付けのあと6時半から船上で、恒例となっている釣り方レクチャーが始まる。
説明するのは、渡辺直人船長。投入からシャクリ方まで、基本的な釣り方のほか、わからない人には、シャコの付け方もていねいに教えてくれる。
ピンクスッテに船中1杯目
7時すぎ、準備が整い出船。港を出たところで「30分ほど走ります」と、アナウンスがあり、ナギの海をポイントへと向かう。
7時50分、「準備ができたらどうぞ~」で開始。
15分ほどで船中1尾目が!
テンヤの上部に配した背中側がピンク、腹側が紫色のスッテに掛かってきた。2尾目も同じカラーに抱きついてきた。
北では雪の便りや、木枯らし1号の予報がでていたが、冬の気配を感じたのは朝だけで、日が昇るにつれて、11月とは思えないポカポカ陽気。シャクり続けていると汗ばむほど。
スッテのカラー変更すると・・
右舷ミヨシには、今年スミイカ釣りを始めた杉田千紘さん。
オレンジのスッテを使用していたが、ピンクに替えた直後に乗った!
「もっとゆっくり」「もう少し巻いてから寄せて」とか、船長からアドバイスを受けて慎重に抜き上げる。
イカの安全な持ち方も朝のレクチャーで教えてもらっているので、スミを掛けられずに取り込み成功、笑顔がこぼれる。
掛かっていたのはスッテではなくテンヤで、シャコは無傷。そのまま再投入して次を狙う。
船上でもポツポツ
左舷胴の間の太田寿幸さんは、この釣り40年の大ベテラン。この日の水深は20m前後と浅い。「いつもは、もっと寒くなって、深場になったらやるんです」と、言いながら上げたイカを見て「この時期にしては大きいよ」と。
トモの高田健一さんは「いつもエギでアオリを狙います。そのときはゲスト扱いのスミを専門に狙ってみたいと思いました」と初挑戦。「今まで釣ったものより大きいですね」と、テンヤにしっかり掛っているのをそっと外してオケに入れる。
右舷トモの蒲晃一さんは、あと一週間で御年80歳。「船釣りは15年ぶりだけど楽しいね」と話ながら、ポーンとキャストして広く探る。はじめはスッテも付けていたが、途中からはテンヤのみ。絶妙な誘いで、1尾、また1尾と上げるごとにサイズアップ。「ドン、と乗ったときの重量感がたまらない」と言う。
時間を追うごとにイカの活性が上がり、釣果は伸びていった。
釣果と今後の展望
15時に納竿。釣果は4~14尾。
船長に今後の見通しを聞くと
「潮が流れるとポツポツ釣れました。今後は深いところを狙います。底が取れて、基本のシャクリができれば慣れない人も釣れると思います。」とコメント。
独特の釣趣があるテンヤで釣るスミイカ。寒さを忘れるほど、熱くシャクってみては。
<週刊つりニュース関東版 宮﨑・ 編集部/TSURINEWS編>
一之瀬丸