段々と冬の気配を感じるようになる11月。暦の上ではこの日から季節は冬となるが、海の中はまだまだ秋。今回は秋シーズンの代名詞の1つとなるタイラバへと行ってきた。11月5日に祥季丸に乗船した。タイジグやテンヤでは釣れるのにタイラバにはヒットなしという状況を打破できるか?
タイラバ変速巻きでヒット!
着底後。10mほど巻いたところで、最初のバイトがあった。
そのバイトの様子から、マダイはやはり食い気はないが、タイラバに興味を示してチェイスしてきていると想像。食わせの変速巻きでリアクションバイトを誘うと、2~3mごとにバイトしてきて、20mほど巻いたところで掛けアワせた。
11月5日の祥季丸での釣行のワンシーンだが、この日は私のタイラバにはこのマダイのみバイトしてきただけだった。
祥季丸では、エビラバ(エビをタイラバに付けた釣り)やひとつテンヤも同時に行わせてくれるが、この同船の人たちには、マダイをはじめ、レンコ、チダイなどのタイ類やアマダイなども顔を見せた。要はタイラバに反応が薄いのだ。
潮動かずタイラバ厳し・・
朝イチ、入ったポイントは山口県蓋井島周辺の60mライン。私は到着直後にタイラバを落として状況を確認するが、どうも潮がない。
底潮が流れてない様子なのだ。タイラバを巻いてくるリールを回す手に抵抗感がまったくない。さらに水深によって変わる潮の流れの変化もほとんど感じられない。
こんな状態の中で、巻き角度を変えるためにキャストして、変化を付けても反応しない。「マダイは潮を釣れ」と古くから言われているが、休みの日に釣行する者にとっては、潮を選んで釣行できないので、その日のうちに答えを見つけていくしかなく、さらにさまざまな方法を試みた。
タイジグに好反応!
祥季丸の下村船長も、その状況をしっかり見ており、なんとか状況を打破しようとさまざまな手段を講じてくれる。
ドテラで流すときも船首の向きを1流しごとに変え、流れに対するタイラバヘッドの当たり方の違いによる波動の変化を演出しやすいよう、なるべく公平な環境を作ってくれる。
それに応えたいと考えるが、なかなか反応がない。
そこでタイジグを落とし、巻くだけではなくジャークを入れたリアクションの釣りを行ってみると、型は小さいが簡単にマダイが口を使う。それも一度ではなくマダイが群れているようなスポットでは何度もだ。さらに何尾かが競ってバイトしてくるような状況を確認できた。
それを見て、マダイの活性を読むことができた。規則正しい動きのタイラバには反応しないのだ。ある程度リアクション的要素が必要なのだと感じ、変速巻きに変えて、誘ってみると冒頭のヒットに繋がった。
タイラバでいかに釣るか?
私の誘いのタイラバでは、回り込みでガツンとバイトしてくることが多い中で、チェイス型のバイトというのも根拠が見いだせる。食い気はないが興味本位で触ってきたのだ。
このマダイ、タイラバでは唯一だったが、2.5kg50cmほどの個体だった。
しかし、同船者は5kgクラスをエビラバで掛けている。さらに3.5kgをほかの釣り人が釣っている。状況が厳しくとも、マダイがいるポイントに船はついているのだ。
そこでいかに口を使わせるか?それも釣りの醍醐(だいご)味だろう。