急に秋らしくなってきた10月8日、ベテラン釣り師の三浦さんと弟子の廣濱君(通称ハマちゃん)と伊勢湾伝統釣法のウタセマダイに行くことに。愛知県・南知多町篠島の友士丸に乗船した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・佐久間由郎)
友士丸でウタセマダイ釣り
午前6時ごろ、集合場所の片名港に到着。やがて友士丸が接岸し、乗船客全員がそろったところで釣り座のくじ引き。三浦さんは左舷トモ、私は左舷胴の間、ハマちゃんは左舷ミヨシとなった。
道具を積み込み、曇り空のなか午前7時ごろに出港。ポイントの篠島周りには20分ほどで到着するので、急いで準備をする。タックルは、S社海明30-240にPEライン3号を巻いたS社ビーストマスター2000の組み合わせ。PEラインには、リーダーとしてフロロカーボンライン7号を5m付けてある。仕掛けは、青物対応としてハリス6号1.8m、ハリはウタセマダイ11号×3本の自作の胴つき仕掛けだ。
序盤はスロースタート
ポイントに到着するとアンカーが打たれ、生きたウタセエビが配られる。船が安定すると、船長から「トモの人はオモリ10号で開始して」と指示が出た。私は2番目なのでオモリ20号、捨てイトは3mに調整した。この釣りはエサの付け方がキモ。生きたウタセエビの口からハリを刺し、脳天を直撃しないようにツノの付け根にハリ先をちょっと出す。元気よく泳ぐように付けること。
水深は29m、船長が左舷側の操舵室横でウタセエビをまく。仕掛けを投入するとイトが船下に入り込んでいく。釣りづらい状況だが、ゆっくりイトを送り込んでいくと、10mほどでアタリが出た。この釣りは向こうアワセが基本だが、心持ちサオを上げて軽くアワせる。ココンココンとした小気味良い引きを味わい、小さいながら本命マダイをゲット。25cm未満はリリースしているが、ぎりぎりセーフだ。
しばらくすると三浦さんも同様のマダイをゲット。ハマちゃんも負けじと食べごろサイズをダブルで上げる。しかしその後はアタリが出てもハリ掛かりせず、掛かってもバレることが多いという状況に。右舷ではワラサや良型マダイが上がっているというのに……。
ブリ80cmオーバー快走
この状況が変わったのが午前9時ごろ。投入した仕掛けが左舷方向に流れるようになってきたため、オモリを15号にして送り込んでいく。すると10mほど送ったところでコツンとしたアタリがあり、そこで止めて少し聞き上げると、ギュンとサオが絞り込まれたと同時にリールのドラグ音が鳴りだした。大物の予感。引きを楽しみながら手巻きで対応するが、なかなか上がってこない。
船長から「青物のようだから、みんな仕掛けを回収して」と声が掛かるが、三浦さんも大物と格闘中。先に三浦さんの魚が上がって船長がタモ入れ。私の方は残り10mくらいになると強烈な引きでイトが出され距離が縮まらない。それでも数回繰り返すと魚も観念したのか徐々に上がってきた。
大きな魚体が見えてくると、船長がリーダーをつかんでタモで素早くすくう。メジャーで測ると82cmあり、堂々のブリサイズだ。三浦さんは62cmのマダイだった。