大阪湾奥の晩夏・初秋のライトゲームは虚しい。湾奥といわず、潮通しのいい垂水や泉南も良い釣果が出ない。この時期の釣り物といえるアジとカサゴがほとんどお留守で、アタリをとらえにくいサバが突いてくるばかり。個人的には、もう小メバルを狙った方がいいのでは!?と思っている。その理由と、この時期の小メバルの釣り方を解説したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
とにかく釣れない?
「魚が釣れない!」
ジグサビキにはつくのに、ライトゲームのロッドに持ち替えた途端、ほとんど無と化す。大型魚を相手にしているわけでもないのに、アカメよりも(!?)釣りにくいみたいな。見えアジになった群れもいるが、ワームを無視する。サビキならば釣れるだろうけれど、ルアーアングラーのプライドはそこまで簡単なもんじゃない。
サバ、サヨリが多い。例によって非常に釣りにくい。アジは小さい。ほぼ掛けられない。深追いするならば、サイズが大きい居着きを探した方がいいだろう。回遊魚はこの数年で本当に大阪湾奥に入りにくくなったので、夏のアジングはお休みにしてもいい。
新子メバルが好反応
筆者個人はこの半年ほどずっとカサゴの釣果がないことに異様ささえ覚えている。専門的に狙った日もあるのだがまったく相手にされなかった。昔こいつらを釣りすぎたことが今になって仕返しされているのか?
しかし近年滅多打ちにしてやっているメバルが、この夏もちらほらと可愛く顔出しする。私は仏のような表情で、「釣れてくれたな」という気持ち。ほほ笑みすら漏れる小ささだ。この春の新子だろうか?垂水、泉南で連発することもある。やはり潮通しのいいエリアだ。
そこで提唱したいのが、新子メバルゲームだ。先日泉南でお話したアングラーが、わりとこのへんでも夏では表層で出ますよ、と言っていた。湾奥のアングラーは驚くが、夏のメバルの表層打ちも珍しくないらしい。個人的にいくつかパターンらしきものも見つけたので紹介したい。
新子メバルゲームのすすめ
まず10cm程度のメバルを釣るのにメバリングロッドは強すぎる。アジングロッド、エステルライン、ヘッドウェイトは0.4gが基準となる。ワームは1inch~1.5inchまでだ。
どこを打つか。定番のキワ打ちもいいだろうが、海底にゴロタ石が入った浅瀬がなかなか良い。このゴロタの隙間に隠れているメバルにふわふわとワームを見せて、飛び出させてくるイメージだ。泉南でのメバルのパターンはほとんどこれだった。
またブイや漂流物のキワ打ちもいい。ぎりぎりのところに投げると、落ちパクのように食ってくる。ひっかけないように注意が必要だが、キャスティングの腕も磨ける。
メバルはどこでもキワにつくような魚だが、新子に関してはそうとも言えないようだ。おそらくこのサイズがキワにつくと、シーバスなどのベイトにされてしまうからだろう。潮通しのいい海ではタチウオやイカもくるので、不用意にキワにふわふわとしていられない。しっかりと身を隠すという意味では、なかなか小型とはいえ彼らの知恵を侮れたものではない。
アジ、サバはむしろゲスト?
面白いのはこんな小メバルでもワームを見切ることだ。同じ手を食わない。一度ハズすと二度と突いてこない。メバルらしい好奇心と警戒心を併せ持つ。小型ならではの自重の軽さで外れやすいのもある。だが、アジやサバと比べるとはっきりとしたバイトを出すし、寄せてくれば抜き上げ時にも不安が少ない。
アジングロッドで狙うが、アジ、サバはむしろゲストと捉えてみてはいかがだろうか?この考え方の転換をすることで、ずいぶんとライトゲームがラクになる。目標15cm級で、20cmがきたら一級サイズといえる。そして夏のメバルとはいえ、そんな型がいないはずもない。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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