陸っぱりで釣れたキスとハゼとチャリコで作る「お惣菜」レシピ3選

陸っぱりで釣れたキスとハゼとチャリコで作る「お惣菜」レシピ3選

日本には四季の移ろいがあり、海水魚でも淡水魚でも旬がある。魚は年に2度、美味しい時期があるともいわれる。各国で食文化の違いがあるとはいえ、これほどまでに多種多様の魚を味わえるのは日本が唯一ではないだろうか。今回は、今回は、季節の野菜と私の主な釣果であるキスやハゼなどを使って比較的簡単に調理したものを紹介してみようと思う。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・牧野博)

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牧野博

初めて投げ竿を持ったのはもう50年近く前、関東で就職してからクラブに入会し、投げ釣りの面白さに魅了されました。根掛かりの多い砂地の磯場や河口内でわざわざ引き釣りをするという特異な習性があるほか、秋にはヘラ竿を持って汽水域を徘徊することもあるようです。

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レシピ その他

夏:冬瓜の煮物 ハゼの煮凝り和え

ここからは、ハゼを使った夏の料理を1つ紹介しよう。

材料

・冬瓜
・ハゼ
・切り昆布
・カブの葉少々
・ミョウガ(小さめのもの)
・しょうゆ
・日本酒
・みりん

釣れたハゼはクーラーやクリールにすぐ投入し、魚が氷や保冷材に直接接触しないようにビニール袋などに入れて持ち帰る。ハゼはできるだけ早くさばく方がいい。

陸っぱりで釣れたキスとハゼとチャリコで作る「お惣菜」レシピ3選材料であるハゼと冬瓜(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

材料の下ごしらえ

冬瓜は洗って皮をむき、角を取っておく。なお、皮をむいた部分はやや硬いので、包丁ですこし切り込みを入れて火が通りやすくしてみた。

うろこをふき、頭を落として内臓をとる。そのうち3~4匹は3枚におろし、皮を引いて、身を細かめに角切りし、ともに冷蔵庫へ入れておく。

冬瓜を煮る

鍋に水を張ってごく少量の塩を入れて15~20分、水煮にする。火が通ったら冬瓜が半透明になってくるので、鍋から上げて水気を取り、冷まして冷蔵庫に入れておく。

ハゼを煮る

鍋にハゼが浸るくらいの水を張り、しょうゆ大さじ2杯、日本酒大さじ2杯で煮る。コクを出すために、切り昆布を少量加える。20分程煮込んだら火を切る前にみりんを少量加える。ハゼは別の器に移し、少し煮汁を入れておく。

ハゼの煮凝りを作る

鍋に残ったまだ熱いハゼの煮汁をそのまま火にかけ、皮を引いて細かく角切りしたハゼの身やみじん切りにしたカブの葉を加えて、火が通ったら鍋から煮汁を器に移して冷まし、冷蔵庫に入れて煮凝りを作る。 

紅ミョウガを作る

梅干しの漬け汁の中に洗ったミョウガを漬けておく。

盛り付け

煮凝りが、半分くらい固まってきたころに、器に冬瓜の水煮を盛り付け、上からまだ固まる途中の煮凝りをかける。ハゼの煮物を2〜3匹添え、紅ミョウガをあしらってできあがり。ハゼの煮つけとこの料理を共通の材料で一緒に作ることができる。

陸っぱりで釣れたキスとハゼとチャリコで作る「お惣菜」レシピ3選冬瓜の煮物 ハゼの煮凝り和え(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

夏〜秋:ゲストで釣れた魚の活用 チャリコの酢の物

キスとセリの酢の物の方法を応用して、この時期にキス狙いの投げ釣りやチョイ投げでゲストにくるチャリコを、酢の物にしてみた。

材料

・チャリコ
・ミツバ
・スダチ
・調味酢
・しょうゆ

釣った魚の保管や持ち帰りは、キスやハゼと変わらない。

陸っぱりで釣れたキスとハゼとチャリコで作る「お惣菜」レシピ3選チャリコの酢の物(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

材料の下ごしらえ

チャリコはうろこをふき、頭を取って内臓をとり、3枚におろす、腹骨をとり、血合い骨の部分をカットするのはキスと同様である。チャリコは皮付きのまま食べやすい大きさにカットし、湯引きせずそのまま使った。

ミツバは。さっと洗って食べやすい大きさにカットしておく。

かけ酢の作り方

調味酢大さじ2杯に醤油を小さじ1杯くらい(好みによって醤油の量は加減する)、そこにスダチのしぼり汁を少し加えたものをかけ酢にした。スダチの薄切りをあしらいに少し用意する。

かけ酢を和えてできあがり

下ごしらえしたチャリコとミツバを器に盛り、かけ酢を入れて和える。スダチの薄切りを上に添えてできあがり。

チャリコはたくさん釣れるので、少し大きめの器に酢の物を作り、ラップをして冷蔵庫に入れておくといい。次の日には、かけ酢の味がチャリコにしっかり浸みるので、また違った味わいになる。

陸っぱりで釣れたキスとハゼとチャリコで作る「お惣菜」レシピ3選チャリコの酢の物(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

昔の思い出を基に料理

今回ご紹介した釣魚を使った酢の物や、煮凝り和えは、私が若いころに食べた料理の記憶を思い出しながら考えてみた。特に記憶に残っているのは、37年前、まだ私が新入社員のころ、ある東京都内の寿司屋さんで食べた酢の物である。

その日は夜勤のシフトで、夕方出勤だった。夏場だったし、少し気分を変えて見ようと思い、ある地下街にある寿司屋さんに一人で入った(気さくな雰囲気だったが、廻らないお店)。出勤前なので当然酒は飲めないが、奮発して上にぎりと酢の物を注文した。

酢の物の注文を受けた店員さんは、「調理場に聞いてきます」という。私は完全な一見客であるし、そのまま待っていたら、「おつくりします」との返事。いただいた酢の物は、いわしときゅうりの薄切りの酢の物で、ごま酢で和えてあった。

お寿司屋さんで旬の魚の美味しさを知る

いわしは中羽(中型サイズ)のものだったが、非常においしかった。後になって、いわしの旬は夏場であることを知った時、この寿司屋さんで、旬の魚の美味しさを教えていただけたことに気づき、とても豊かな気分になったことが忘れられない。

私たち釣り人は、釣りを楽しみながら旬の魚を手にすることができるという恵まれた立場にいる。手にした魚を、どうしたら美味しく食べられるか?考えたり悩むことも、釣りのうちだと思う。

私はプロの料理人ではないので、段取りが良くない部分もあるし、洗練された盛り付けもできないが、新しい釣魚の調理ができれば、また紹介してゆきたいと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

<牧野博/TSURINEWSライター>