『シーチキン』42年ぶりに新顔がラインナップ 原材料の魚種は「ブリ」

『シーチキン』42年ぶりに新顔がラインナップ 原材料の魚種は「ブリ」

食卓に欠かせない「シーチキン」シリーズに新顔が登場しました。これまでとはちょっと違う魚が原料となっています。

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その他 サカナ研究所

「シーチキン」に新顔が登場

おにぎりやサンドイッチの具材として人気の高いツナ。調理不要でそのまま食べられる気軽さ、またひと工夫で様々な料理に化ける便利さで、食卓に欠かせない存在となっています。

『シーチキン』42年ぶりに新顔がラインナップ 原材料の魚種は「ブリ」シーチキン(提供:PhotoAC)

そんなツナ缶の我が国における最もポピュラーなブランドのひとつに「シーチキン」があります。現在はシーチキンL、シーチキンマイルド、シーチキンファンシーの3商品がラインナップされ、いずれもコンビニやスーパーで購入することができます。

しかしこの夏、そんなシーチキンの新商品が、実に42年ぶりに発売されることになりました。それが「シーチキンEvery」。その原材料はなんと「ブリ」なのだそうです。

なぜ「ブリ」でシーチキンを?

これまでのシーチキンはビンナガマグロ、キハダマグロそしてカツオという、マグロに近い仲間の魚が使われてきました。しかし最近、これらの魚種の漁獲量が減っており、また世界的な魚食ブームにより魚価も上がっていて、原料として確保しづらい状態が続いています。

『シーチキン』42年ぶりに新顔がラインナップ 原材料の魚種は「ブリ」ブリ(提供:PhotoAC)

そのため、日本国内でも安定的な水揚げがあり、食用魚としての人気も高いブリが新しい原料として選ばれたのだといいます。

ブリで作られたシーチキンは、既存商品と比べEPA、DHAなどの魚油成分の含有量が多く、柔らかさがあるのが特徴だそうです。

自作もおすすめ

マグロ類やカツオと、今回使われることになったブリでは、分類学上非常に大きな違いがあります。それは前者はサバ科(マグロ属)、ブリはアジ科に属するということ。

いずれもわが国では「青魚」というくくりで共通しているものですが、味には大きな違いがあり、シーチキンに加工しても違った風味が楽しめると思われます。英語におけるTunaはマグロ属を表すため、ブリは厳密にいえばツナではないとも言えますが、今回はあくまで「シーチキン」なので問題はないでしょう。

『シーチキン』42年ぶりに新顔がラインナップ 原材料の魚種は「ブリ」自作のオイル漬け(提供:PhotoAC)

ちなみにシーチキンは商品名なので一般人が自作することはできませんが、一般名である「青魚のオイル漬け」であれば自作は容易です。原材料の魚に塩コショウや好きなスパイスで下味をつけ、ローリエなどのハーブとともにたっぷりのサラダオイルにつけて、75℃程度(はじめは中弱火、日が入り始めたらごく弱火)で1時間ほど煮るだけで、美味しいオイル漬けが完成します。

原料は青魚であればなんでもよく、釣れすぎたサバやシイラ、イナダやショゴ、ソウダガツオでつくると、市販品にも負けない美味しいものが出来上がります。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>