4月22日の釣行前は、一週間前から風を気にしていた。かなり強く吹くという予報だったのだ。これでは釣りに出かけられないが、新月中潮という良い潮なので、見逃しがたい。そこで風が弱まってくる20時くらいから釣り場に立ったのだが、結果、惨敗を食らった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
当日の状況
大阪湾奥。この日は強風予報が19時まで。最大風速10mと出ていたので、相当なものである。しかし、20時には一転、北北東の風3mとやりやすい状況になりそうだ、との予報。だがこれをすっかり信じていたわけではなかった。海では常にわけのわからない風が吹いているものだ。
実際現場に到着すると、風裏のはずなのに、頭くらいの高さから風が吹き乱れていた。上げ潮と相まって、波風も立っている。メバリングには難しそうな気配だ。
最初に大失敗
いきなりやらかしてしまった。大失敗。四つ折にして持っていったタモ網を広げようとして、ぶち折ってしまう。この時点でこちらの心も折れたようなものだった。
また三寒四温の寒にあたる日で、風も冷たいのだ。まじかよと内心呟きながら、もはや厄介モノにしかならないタモをリュックに入れたまま、メバリングスタート。
風が強いので、メバリングタックルに、エステルライン運用である。最初に0.8gで岸際を舐めていく。表層のレンジを主に、15カウントくらいまで。釣り場を半分くらい往復して一切反応なし。時合いに捕食を済ませたのだろうか?そもそもまだ浮上していない可能性もあるが、上げ潮が効いていい雰囲気でもあるのだ。小雨でも混じれば、とヘンな期待さえした。強風にくわえてもっと面倒になるようだが、小雨パターンの可能性が出てくる。
メバルもアジも無反応
他のアングラーが話しかけてくる。「釣れますか?」「まったく」と答えると、「ここ数日ぜんぜんダメやね」とのこと。前日と比べ、気温が7℃近く下がったので、まだ春の海になりきっていない4月の海水温は、実際はかなり冷たいのだろうか?メバルは浮いていてもおかしくない状況だが、何せ北風がうっとうしくて、こちらの精神が持たない。
すでにハートブレイクしかけているのには、最初にぶちおったタモの悔しさを引きずっているのもある。ここで狙いを、アジに定めてみる。エステルラインに1.5gのヘッド、表層・中層・ボトム周り。常夜灯下、コーナー。どのレンジにもいない。それこそ回遊アジは通り過ぎて当たり前の時間だ。居着きがいないかと、気を尖らせながら執念深く探ったが、ダメだ。これは、無の気配もしてきた。
早期退散
「そのうち時合いがくるんだろうけどな」と小声で呟きながら、到底それまで待ちきれないという結論にいたる。何せ無用の長物となって、この日の運命を台無しにしてくれたかのようなタモの存在が、背負ったリュックに重い。あるところで、こんな日もあるさ、と心を切り替えた。
すでに今年は坊主を一度やっているので、それが二回に増えたところで、だ。釣りが嫌いにならないために、そしてロストや道具の破損など失敗を増やさないために退散することにした。
坊主は引き際を知るという意味で学びになる。また、バチ抜けシーズンが本当にすぐそこなので、何よりもタモぶち折れの修正を図るため、早めにAmazonで何かいいものが出ていないかと、そっちの方が気になっていた。
今後はバチ抜けに期待
散々な結果となったが、得たものもなかったわけではない。微妙に明暗が形成されたポイントを凝視していると、クルクルバチの姿が見えた。しかもその場所は私にとって、バチ抜けの印象がないところなのだ。ここにもバチパターンのシーバス、チヌ、メバルが出るのだろうか。ひとつバチ抜けが期待できるポイントが増えたようなものだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>