サカナの値段は大まかに種類ごとで異なります。では、この値段がどうやって決まるのか調べてみました。
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サカナの値段はいまも高騰中
今現在もサカナの値段は高騰中です。
よく話題にのぼるものだと、「サンマ」や「マグロ」でしょうか?サンマの場合、以前は一匹100円前後で購入できたものが、今では当たり前のように200円前後で売られていたりします。
不漁続きだから、今は旬だから、などを理由に値段が高騰するのはなんとなく分かりますが、そもそもこの値段は誰が決めているのかは実はあまり知られていません。
「産地市場」で決まる
まずサカナに限らず物の価値を意味する値段の決定は、『需要と供給のバランス』に尽きます。
サカナの値段が決まるまでを順序だてていくと、まず、漁師さんが捕ってきたサカナが港に水揚げされます。港には市場があり、これを産地市場と呼びます。
この産地市場は日本のいたるところにあり、この産地市場で最初に値段が決まります。この値段がいわゆる「浜値」と呼ばれるもので、全国的な需要を見据えたもので、買い手側の状況が必ず反映されます。
ここで漁業者から卸売業者などの買受人がサカナを購入し、そこからさらに加工業者などにサカナが売られていきます。
地方の海沿いでサカナが安いのは、卸売業者などがそのまま販売をしているからなのです。
「消費地市場」で決まる
産地市場の次にサカナは消費地市場というところに運ばれます。東京でよく聞く「豊洲」「築地」もこの消費地市場にあたります。
ここで卸売業者がスーパーなどの小売業者や高級料亭などの買受人に対してサカナを販売します。
私たちの手元に高級で極めて品質のいい食材が出回りにくいのは、この段階で買われていくからなのです。
「小売り店」が決める
私たち消費者が購入する値段はこの小売業者が決めて店頭で販売されているのです。
このような流れで私たちの手元に届くわけですが、サカナの場合だと常に生食のものを購入するわけではないですよね?
例えば、干物のように乾燥する加工が必要だったり、その干物をさらにパックに詰めたりと、ある程度の加工が必要だったりします。こうすることで少しずつコストがかかり、手元に届くまでに値段が少しずつ増していくのです。
水揚げから時間と手間がかかるほど高く
説明したように時間と手間が掛かればかかるほど、私たち消費者の手元に届くころには値段が高くなってしまいます。
そのため、スーパーなどでは陳列棚の裏でサカナを捌いている方がいらっしゃいますよね。あれは、外部に依頼することで発生するコスト少しでも抑えるための工夫であり、消費者に少しでも安く販売するための工夫なのです。
しかし、それよりも新鮮なものを、さらにリーズナブルに購入したい場合は水揚げされている場所の近くの市場に行くのがいいでしょう。
きっと、スーパーなどでは名前を聞いたことも見たこともない、けれども美味しいサカナを購入することができますよ。
<近藤 俊/サカナ研究所>