市販されるサーモンは養殖は主流 なぜ「イクラ」は養殖されないのか?

市販されるサーモンは養殖は主流 なぜ「イクラ」は養殖されないのか?

数年来続くサケの不漁の影響で高騰著しいイクラ。「サーモン」の養殖が一般化する中、その卵であるイクラの養殖は行われることはないのでしょうか。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

アバター画像 TSURINEWS編集部

サカナ研究所 その他

人気第1位の寿司ネタはサーモン

いま最も人気の高い「寿司ネタ」は何か、ご存じでしょうか。それは「サーモン」です。水産加工大手のマルハニチロが実施している人気寿司ネタランキングで、サーモンはなんと11年連続の1位を獲得、押しも押されぬ主要寿司ネタとなっています。

市販されるサーモンは養殖は主流 なぜ「イクラ」は養殖されないのか?サーモン刺身(提供:PhotoAC)

もちろん生だけでなく、加熱用食材としてもサーモンは欠かせないもの。日本で流通しているサーモンはノルウェーやチリで養殖されたものが主流ですが、近年は宮城県などで養殖された国産サーモンも増えてきています。

サーモン養殖は技術革新が著しく、東京湾など比較的温暖な海でも養殖が可能になっているといいます。円安の影響もあり今後さらに国産サーモンは増えていくと思われます。

養殖サーモンはサケ?マス?

ところで、一口に「サーモン」と言っても色々あるのをご存じでしょうか。一般的にサーモンというと「サケの英訳」とされますが、我が国における食材としての「サーモン」はサケ(シロザケ)だけではありません。

例えば回転ずしの「サーモン」はトラウトサーモン、日本では「ニジマス」と呼ばれる魚が主流です。ニジマスは釣り堀などでおなじみのマスの一種ですが、成長するとサケ同様に海に下り、60㎝を超えるサイズになります。

市販されるサーモンは養殖は主流 なぜ「イクラ」は養殖されないのか?ニジマス(提供:PhotoAC)

一方で、白く脂のさした「とろサーモン」はアトランティックサーモン、和名「タイセイヨウサケ」が多いようです。これは日本のサケと外見も食味もよく似ています。

またこのほか「シャケの切り身」で主流のギンザケは、しばしば国産のサケと混同されがちなのですが「コーホーサーモン」という別種です。日本には元来生息していませんが、養殖が盛んにおこなわれています。

次のページでイクラが養殖されない理由とは?