晩秋、河川筋での代表格と言えば、木曽三川のヒネハゼ、マダカだ。今回は木曽三川の晩秋の風物詩である両者のポイントや攻略法について紹介したいと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 桑山卓久)
マダカ釣り
近年はマダカの動きも複雑になってきた。ひと昔前とは違い、上流でも居残り組が出てきたのだ。木曽三川のマダカは、木曽川は馬飼大橋まで、揖斐川は名神高速道路下手のエン堤まで遡上する。晩秋以降はどちらの河川も堰上流から入ってくる落ちアユを捕食し、その後少しずつ下流へと下っていく。しかし、近年では遊びアユも多く、地元の人によると馬飼大橋では12月以降も落ちアユを捕食する動きが見られたとのこと。
そのため一部だが、年明け以降に下りの動きを見せる個体もいるようだ。またどういうわけか、その中には海へと下らず河川筋に居残る個体も出てきており、河口付近においても一部で似たような動きが見られる。
それから驚くべき報告を耳にした。それは時期によって河口よりも水温が2度以上低い上流の方が釣れるといったものだ。特に私がびっくりしたのは、数年前上流において大雪後(水温5度前後)にもかかわらず、マダカやセイゴの入れ食いがあったことだ。冬期のセオリーを覆す動きだっただけに、その衝撃を今でも鮮明に覚えている。それらの胃の中には多くのエビや川魚などが入っており、上流のエサの豊富さもマダカが居残る1つの要因になっていると考えられる。
釣り場・時間帯
落ちアユが入ってくるまでは、どの河川においても釣り場は変わらない。河口から上流までの潮通しが良く、変化のあるポイントを狙う。
木曽川は、馬飼大橋付近まで狙える。ただ馬飼大橋から下流200mは釣り禁止なので要注意。また揖斐川は、名神高速道路のエン堤付近まで狙うことができる。ただ海津橋付近から上流部は、入漁料を徴収される場合がある。それから体力のない落ちアユが入り込みそうな流れの緩い沈所脇や、深みのあるワンドなども狙いめだ。
時間帯は昼夜ともに狙えるが、マダカは夜行性ということから昼よりも夜に分が上がる。過去20数年で昼が良かった年は3シーズンほどで、残りのシーズンは暗くなってからの潮の前後だった。
道具立て&エサ
4m前後の投げザオ(オモリ負荷25号以上)、大型スピニングリールにナイロン5号前後かPE2号前後+テーパー、中通しテンビン(スパイク30号前後)、木曽三川オリジナル2本バリ仕掛けのハリ15号以上。1本針でもいい。
転がし誘い釣りは、3.6m前後の投げザオ(オモリ25号以上)、大型スピニングリールにミチイトは投げ釣りと同じ、中通しテンビン(六角、ナス20号まで)、木曽三川オリジナル1本バリのハリ15号以上。エサはアオイソメやゴールドイソメの房掛けだ。
釣り方
こちらもヒネハゼ同様に待ちの釣りだ。河川筋であることから、流芯は非常に流れが強いため、重めのオモリで投点を維持する必要がある。また木曽三川は1級河川ということで、広く探るためにも複数本のサオによる投げ分けが重要だ。
活性が高いときは、20号ぐらいまでのオモリを転がしながら誘う釣りも面白い。また稚アユが入り込む沈所脇や深みのあるワンドはそれほど流れは強くないため、そのポイントに合わせた軽めのオモリを使う。
また最近私が現場でよく感じることがある。それは、こまめなエサ替えを怠る人が意外といること。エサの鮮度を保つことはマダカへのアピールとなるので、徹底してほしい。合わせて最大のアピールであるエサの房掛けも心がけたい。
好立地のポイントで楽しもう
ここ木曽三川では、マニアからファミリーまで楽しめるポイントが数多い。立田周辺はトイレが完備されたバーベキュー広場やグラウンドゴルフ場がある。近くには国営木曽三川公園や歴史資料館もあり、レクリエーションの場としても確立している。
これからは寒さとの戦いが控えており、数多くの車横付けポイントがある木曽三川は魅力的な釣り場だ。晩秋以降は良型シーズンであり、状況次第では数釣りも十分期待できる。これだけの条件がそろった釣り場は、なかなかない。これから面白くなる晩秋からの木曽三川、皆さんぜひ出かけてほしい。
最後に釣り人のマナーである現場での安全対策(ライフジャケットの着用など)や、ゴミの持ち帰りなどによる環境美化にも努めていただくようお願いしたい。
<週刊つりニュース中部版 桑山卓久/TSURINEWS編>