東京湾を中心に、相模湾、日立沖など、熱い注目を集めているのがテンヤで狙うタチウオだ。そこで、ジギングや天ビンとひと味異なるテンヤで狙うタチウオをクローズアップ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)
基本の4つの誘い
船長からの指示ダナは下限から上限までの数字がアナウンスされる。ミチイトのメーターマークでキッチリと下限のタナで止め、上限のタナへと誘っていく。
誘い方は年々アップデートされていて、近年、東京湾で誘いの中心となっているのは4種。
1つはNSV(ノンストップバイブレーション)で、文字通りテンヤを小刻みに震わせながら、ハンドル2分の1~8分の1程度の幅で巻き上げながら上限のタナまでを探っていく。
2つ目はトゥイッチと呼ばれ、テンヤに3~5回ほど小さく動きを与えながら、その日の活性に合わせ巻き上げる幅を調整。NSVとの違いは、誘ったあとで必ず止めの間を入れること。この止めた瞬間にアタリが出ることが多い。
3つ目はEV(エレキテルバイブレーション)と呼ばれ、電動リールの低速で巻き上げながら、NSVを行う誘い。電動リールの一定のスピードで巻き上げる機能を最大限に活用し、テンヤに動きを与えることに集中できる。
そして4つ目がタダ巻き。テンヤに動きを与えずに電動の巻き上げ機能を活用し、一定のスピードで巻き上げていくだけ。活性が低い状況で効果的なことが多い。
この4つの誘いを基本に、いくつかの誘いを融合させながら、巻き上げのスピードや誘いの幅、テンヤに与えるバイブレーションの強弱などをその日のタチウオの活性に合わせて組み合わせる。
積極的にアワセていこう
上級者の間では、アタリが多く出るタナの見極めに「潮境」という言葉がよく使われる。一定の誘いを続けるなかで、急にテンヤに掛かるテンションが重くなったり、軽くなる箇所を感じるタナがある。ここは潮の流れに変化がある場所で、タチウオが好んでエサを追うタナ。そのような変化がある場所を感じたら、巻き上げをやめて、定点でテンヤを動かす誘いを入れてみると面白い。
タチウオの活性が高い時ほど、サオ先が跳ね上げられるようなアタリが出ることが多い。NSVやEVで動かし続けている状況では、テンションが抜けるような違和感が出ることが多いが、どの釣り方においても違和感があった時には、アワセを入れてみるといい。
首尾よくハリ掛かりすると、大型ほどトルクのある強い引きで抵抗してくる。リールのドラグは強く締めすぎず、強い引きには巻き上げのスピードをコントロールしながら、魚との間を詰めていく。リーダーが見えたら巻き上げをストップ。手の中でリーダーを滑らせながらサオを潮上側へ置き、リーダーを手繰るようにして魚を潮下側から船内へと取り込もう。
タチウオは海面下まで強い抵抗を見せる。サオの弾力で抜き上げようとすると、テンヤが外れた時に反動でテンヤが船内に飛び込んできてケガをするだけでなく、サオを破損することにもなる。しっかりとリーダーをつかんで取り込もう。
その他の注意点
タチウオの歯は切れ味が鋭く、ミチイトも指も簡単に切ってしまう。万が一のオマツリ時は、魚よりもミチイトの保護を優先。バケツやクーラーの中から取り出すときもタチウオの口元には十分に注意したい。
また、釣れたタチウオはしっかりと氷を利かせたクーラーに保存。どの釣りでも同じだが、保存に気を配ることで、アフターフィッシングもいろいろな料理で楽しめる。足元のバケツに入れっぱなしにせず、釣れたらすぐに冷やす!くらいの気持ちでテンヤタチウオ釣りを楽しもう。
<週刊つりニュース関東版APC・田中義博/TSURINEWS編>