危険な最高気温という言葉も耳になじむほどの猛暑日が続き、経験上最悪の状態だった中部の各河川だが、お盆とともにやってきた不安定な大気がもたらした夕立のおかげで、息を吹き返したようだ。8月後半に倶楽部の釣友・吉村政治君と木曽でもぶらついてみようかということになり、午前3時すぎには中部縦貫道をひたすら北上していたのだった。
最後は木曽の本流で!
最後はやはり木曽の本流でと、私の願いが聞き届けられ、小川の出会い下手の深瀬で最終ラウンドを迎えることにして、流れに腰まで立ち込み無心でサオに集中する。
けたたましく鳴くミンミンゼミに交じってツクツクボウシの声が。あ~、もうそんな季節なんだな~…。少しだけセンチメンタルな気分に包まれたころ、握っていたサオに激しくアタリが伝わる。
きれいな弧を描いたその先で、暴れる木曽アマゴの強い抵抗がなんともうれしい。無事にタモに導かれたのは、見事な体の33cmだった。
渓のあちらこちらで秋の気配を感じられる季節。移ろいゆく季節を楽しむのもいいが、私たちに残された時はあとわずか。
最終ラウンドのゴングを聞くまで、精いっぱい駆け巡ろうではないか。
<週刊つりニュース中部版 APC・三重渓流倶楽部・冨田真規/TSURINEWS編>
付知川