〝夏タチ〟がシーズン真っただ中だ。今回は釣り好き店主(藤まる食堂)いち押しの「タチウオの若狭(わかさ)焼き」を紹介。最近は保存食としても注目されつつある。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松田正記)
釣り場での下処理
ハリ掛かりしたタチウオは、そのままクーラーに入れる。釣り上げてすぐに、船べりなどにタチウオの頭を打ち付け、動かなくなったところでクーラーに収める人もいるが、見た目があまり芳しくない。確かに「野絞め」にはなるものの、せっかくの海の恵だけに優しく扱ってほしい。どうせ締めるなら、柄の長い手鉤などで絞めよう。
自宅での下処理
持ち帰ったタチウオはクーラーから取り出し、軽く水洗いする。次に魚をまな板にのせ、頭とワタを取り、尾っぽの先端をカットする。これで下処理の完了。すぐに食べない場合は、そのままキッチンペーパーに包んでラップをかけ、冷蔵室内のチルドに入れておこう。
3枚におろす
下処理を終えたら、3枚におろしていく。薄っぺらな魚だけに、包丁をしっかり寝かせ、丁寧にさばいていきたい。
食べやすい大きさにカット
3枚におろしたら、食べやすい大きさにカットする。魚のサイズにもよるが、指3本幅のもので7~8cmがちょうどいいだろう。
若狭地(タレ)に漬ける
カットしたタチウオは若狭地(タレ)に漬け込む。タレの割り下は次の通り。水6、薄口しょう油1、みりん1。甘が強いほうがいい人は、みりんを2にしてもOK。
参考までに若狭地は、福井県から京都府を結ぶ若狭湾が発祥。シケなどで魚が獲れない日のために、料理人が考えた伝統的な保存方法。ただ、諸説あるうえ、使う調味料などもかわりつつある。
蔵室内で干す
ここからは干す工程。まずは魚をタレから上げ、キッチンペーパーなどで水気を切る。この季節、専用の干し網を使うと害虫が寄ったり、暑さで傷んでしまう。そこで冷蔵室内を利用する。方法は至ってシンプル。魚を皿に並べ、そのまま冷蔵室内に放置するだけ。
干す時間
干す時間は6~8時間。これだとジューシーさが残り、酒の肴になる。2~3日干すと魚から水分が抜け、ご飯の友に。4~5日干せばカチカチになり、ダイコンやジャガイモと一緒に煮る料理にちょうどいい。
グリルで焼く
今回のいち押しは若狭焼き。この場合は6~8時間干したものが最高だ。グリルで焼くだけで香り高い、ほくほく感が口に広がる。
保存について
保存する時はラップに包んで冷凍する。どの干し方も3~6か月は保存できる。シケで釣りに行けない時に、いろいろな料理を試してほしい。
<松田正記/TSURINEWSライター>