海のルアーフィッシングの対象魚で一番釣りやすいのは何?ともし釣りを知らない人に訊くと、もしかするとイメージ的に「アジとか?」と答えるかもしれませんね。残念ながら不正解です。一般にこの魚の知名度自体が高くないのかもしれませんが、実はカサゴです。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
海の定番の魚カサゴ
海の釣り人にとっては「一番よく見る顔」といえるカサゴ。その姿はこんな感じです。
カサゴは小さな魚体のわりに頭が大きい魚で、頭を「笠」といって「笠子」という説があります。根魚(ねざかな)といって海底付近に着く魚で、釣りをしていると、何かとよく釣れる魚です。本州全土の海の沿岸に生息しており、個体数も非常に多く、堤防から釣れるサイズでは最大30cm程度になります。
非常に釣りやすい魚である一方、引き味が単調で、またあまりに反応がよすぎるため専門的に狙われることはない魚ですが、実は食味は抜群。海の足元にいる身近な魚としては、最大級の高級魚といえるでしょう。
スーパーの鮮魚コーナーなど市場に出回らない理由はいくつかあります。まず、底引き網に入りにくい魚であること。また、先述のように頭でっかちな魚で、大型にならないとほとんど食べる身がないことです。
カサゴゲームの魅力
ライトゲーム対象魚としてアジやメバルのようにアングラーが専門的に狙うことは少ない魚ではありますが、「カサゴゲーム」といって、この魚を釣るルアーゲームもあります。その魅力は、以下の通りです。――筆者も実はちょこちょこカサゴゲームを楽しむ者です。
通年反応がよく、数釣りできる
カサゴは通年沿岸に着く魚です。足元にジグ単やマイクロメタルジグを落とすだけで簡単に食ってきます。何もかもの反応が渋い時期に数釣りができるのは、大きな魅力といえるでしょう。1月2月の厳冬期には反応が鈍りますが、一発出ると大きく、冬の大型カサゴは食べても絶品です。
大型は格別の引き
カサゴはショアから釣れるサイズでは、最大30cmくらいになります。筆者は個人的に大型を「ジャンボカサゴ」と言っていますが、本当にこのジャンボサイズになると、ちょっとサオを持っていかれるような極端に強い引きをします。
初速はチヌと見分けがつかないくらいで、どう勝負しようか迷っているうちに根に潜られたりと、まあまあハラハラさせてくれます。一発フッキングで上を向かせてしまえば勝ちですが、脊髄反射的なアワセが必要という面でも、大型カサゴが出る海では少しボトムをとると油断できないのも面白いところ。
どんな海域にも着く
「どこにでもいる魚」って、そういません。その点、カサゴは本州全土、寒い海でも暑い海でもそれなりに釣果があります。ちなみに「カサゴ」という呼び方は、標準語に近いものです。九州では「アラカブ」、関西では「ガシラ」など、その地方独特の名前で親しまれています。沖縄でも那覇沿岸では釣果があるようです。海域を問わず釣れるのは魅力ですね。
デイでも反応がいい
カサゴは釣り方が多彩な魚です。生エサに負けるとも劣らず、ワームをメインにプラグでも食ってきます。とにかく好奇心旺盛な魚で、エギで釣れたりすることもあるようです。
また、海の釣り物としては珍しく、日中にも反応がいいのも特長かもしれません。消波ブロックの隙間などの、いわゆる「穴」にジグヘッドやエサを落とせば、すぐにバイトがあります。昼に釣れるのは何よりですね。ファミリーフィッシングにもぴったりの対象魚です。