ルアーにはそれぞれの「アピール力」がある。アピール力の多寡は、簡単な公式で成り立っている。「シルエット×波動」だ。シルエットが出て波動が大きいほど、アピール力が大きい。シルエットが薄くて波動が弱いほどアピール力が小さいと考えると、わかりやすい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
アピール力の計算式
「シルエット×波動=アピール力」
この計算式を頭に入れておこう。
アピール力「大」の例
その上で、例示するなら、下のルアーはかなりアピール力が強い。
これはボトムをとって巻いた瞬間食ってきた。典型的なマヅメの高活性パターンで、やはりこういう魚の食いが立つタイミングでは、シルエットが出て、バイブレーションのような波動が大きいルアーが適する。――といっても、実は本命はタチウオだったのだけれど。
アピール力「小」の例
アピール力の小さいルアーの例は、メバリングのプラグ。フローティングで、止めて放置か、さーっと巻いて使う。
メバルのように人気の釣り物で人的プレッシャーが高く、また釣り人の足元から近い場所にいる魚は、シルエットが出るものを基本的に嫌う。そういうときには、シルエットも淡くて波動もほぼまったくでない、アピール力「小」のルアーで獲るのがうまいやり方だ。
条件によって使い分けを
ルアーフィッシングのアピール力は「シルエット×波動」と考えて、最後に、状況別のルアーのチョイスを考えたい。
まず、魚がいるかどうかわからない状況だ。オープンウォーターに遠投するときや、あまりプレッシャーのかかっている様子のない初場所。そのような条件では、アピール力「大」のシルエット濃×強波動のものを使う。「魚に見つけてもらうこと」を意識して投げよう。
反対に、人的プレッシャーが高い沿岸部での釣り。いわば、よく釣り人が入っている場所での釣りでは、アピール力「小」のルアーを用いるべきだろう。シルエット淡め×弱波動でナチュラルな食わせを演出したい。
基本的に筆者はショアの釣りでは、どんな釣り物にでも(というわけでもないかもしれないが……)、このアピール力「小」の打ち方を推奨する。
<井上海生/TSURINEWSライター>