春の陽気に誘われ3月19日、青物を狙い壱岐へ、春のヒラマサ、通称「春マサ」を狙って釣行した。残念ながら春マサはお預けとなったが、朝マヅメのワンチャンスをものにして良型ブリをキャッチしたので、その模様をお届けする。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・武田健人)
春のヒラマサ釣り
北は赤瀬鼻、南は海豚鼻。壱岐を代表する一級磯だ。春の陽気に誘われ3月19日、青物を狙い壱岐へ釣行した。もちろん本命は春のヒラマサ、通称「春マサ」だ。
前日の暴風で島の東側は大シケ、対照的に穏やかな西側。青物狙いのためそこそこのウネリがほしいものの、東側では釣りにならない。そこで選択したのが壱岐の島最南端の海豚鼻だ。
午前5時30分ごろにポイントに入るとさすがは一級磯、左から右へ川のような激流が走っている。そこに東から回り込んできたウネリが絡み、雰囲気はムンムンだ。
ダイビングペンシルにブリヒット
日の出前のまだ暗い6時すぎ、ダイビングペンシルを投げているとサオ先にモゾリと違和感を覚えた。
「フックがイトを拾ったか……?」と首をひねりつつもアクションを2、3回ほど繰り返しただろうか、突然、走り始めたのだ。「おおっ、魚だ!青物だ!」。
慌てて体勢を整え、一気に勝負にかかった。なんせヒラマサの可能性がある。引きを楽しむ余裕はない。シングルフックがカンヌキをしっかりとらえていることを確認し、足元の波に合わせて魚を無事ランディング。
磯には私ひとりだったので、膝をついて声を上げガッツポーズ。歓喜の瞬間だった。ヒラマサではないにせよ良型のブリ。後に計量すると、91cm7.6kgだった。体高があり、よく太ったうまそうな個体だ。
2時間反応なし
実はここに至るまで数回の釣行でボウズが続いており、この世には夢も希望もないような妄想に取りつかれていたものだが(笑)、この魚のおかげで世界に彩りが戻ってきたような、満たされた気持ちになった。
それからさらに2時間ほどダイビングペンシルを投げ続けるも反応はなし。それどころかベイトの気配もなく潮止まりを迎えたため納竿。
あのブリは朝マヅメだからこそのワンチャンスだったのだろうか。
釣果は妻の実家へ発送
それにしても、ブリがバイトしたタイミングでは恥ずかしながら、本当に魚だと気づいていなかった。まだ暗かったし、もしかするとウネリでバイトシーンが隠れたのかもしれない。
「これがヒラマサだったら切られていたかも…」そんなことを考えながら、重たいブリを背負って車へ戻る道のりは幸せに満ちていた。
今回のブリは梱包し、壱岐から妻の実家へと発送した。妻からは「さばいて送ってあげてほしい」と言われたものの、どうしても妻の母親に自らの釣果を自慢したかった私はあえて、1本のまま発送したのであった。
魚屋さんへ魚さばきを依頼するひと手間は少々申しわけないが、これは釣り人のサガということで大目にみてほしい。
今後の展望
今回の釣果はまさに春の青物シーズンらしいといえるが、壱岐の青物アングラーにいわせると、まだ本格シーズンインはしていないそうだ。
今年は、もしかするとゴールデンウイーク辺りまで楽しめるかも…? そんな話を聞いて、私はいそいそと次の釣行を企てるのであった。
<週刊つりニュース西部版APC・武田健人/TSURINEWS編>
海豚鼻