この数年で一気に冬の釣り物として大人気のターゲットとなったのが、ビンチョウマグロ(ビンナガ)。今回は近場でできるちょっとしたビッグゲーム、トンジギを紹介していこう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・峯卓)
ジグ
使用するジグは250~500g(!)までのロング、セミロングが大多数だ。大多数というよりそれしか船上で見ない(笑)。
「ショートジグじゃダメなんですか?」と問われれば、「ショートジグで大丈夫です!」。あなたの腕が壊れなければ。ヘビーウエートのジグをドテラ流しでタナを探しながら長時間ジャークし続ける、コレを可能にしてくれるのが、薄いエッジが水を切り引き重りを軽減してくれるロングジグというわけだ。
カラーはシルバー信者がまだまだ多いものの、最近は各メーカーがさまざまなカラーを出している。ブルピン、赤金、グローヘッドにフルグロー、何を選んでも釣れなかった経験はないし、逆に1人勝ちの経験もない。つまり色に神経質になる必要はないということ。自分が信じられるカラーでチャレンジだ。
フックは専用と言ってもいいような、おあつらえ向きの製品が多数販売されている。強度に不安が残ると主導権を握るやり取りができないので、線径が細いものは避けて自分が使用するジグを抱かないゲイブ幅のフックを選ぼう。
フロントにセットするかテールにセットするか、はたまたどちらにも付けるのか。悩ましいところだが自由で構わない。貧乏性の私は少しでも確率を上げようと両方セットすることもあるが、先にテールに掛かり、ファイト中にフロントフックが頬周りに掛かってしまった場合は地獄だ。
マグロが横向きになるため、全く頭の向きを制御できずにまるで砂袋をリフトしているような状態になる。サイズが大きくなれば、この状態でのキャッチは難しくなるので気をつけたい。
ヒットは巻きでもフォールでも
では具体的な釣り方を説明していこう。水深は200mだったり500mだったり。さらに風、潮に船を当ててのドテラ流しだ。船長から指示のあったタナ(だいたい上から50~150m前後が大半)の下限辺りまで落とし込んで上げてくるので、当然ながら底は取らない。
ラインのカラーをカウントしながら、角度がついていくラインを見てプラスアルファの余分を出しながら落としていこう。その日の潮の速さや風にも左右されるが、30度から45度の角度で落とせる条件がベストだ。
それより角度が大きくなるとラインが上潮にフカされてしまうし、逆に真下に落ちるようでは指示されたヒットレンジを長く刻めない。海況ばかりは出たとこ勝負なので、ジグの重さ、フォール時のテンションなどで調節したい。
狙いのタナまで到達すれば、オーソドックスなワンピッチジャークで探っていく。電動ならば中速で巻きながらティップを振る動作を指示ダナ上限まで繰り返す。フォールにも強く反応するので、再フォール中も油断禁物だ。
じっくりやり取りしよう
ガン!とアタれば苦労しないが、フォールのアタリのほとんどが言うなれば「着底」だ。フワッとラインが緩んだら、素早くアワせてやらないとかみ跡だけ付けて逃げてしまう。巻きで食う、落としで食う。ビンチョウに限ってならば、半々といったところだ。フォールも立派な誘いと理解しておこう。
巻きで食わせた場合のアタリは明朗快活。200m先だろうと手元に明確に届く。ラインの伸びもあるので、大きくアワせてからやり取りすればいい。
注意したいのは電動リール。小型ならばロッドと魚を一直線にしてのゴリ巻きが手っ取り早いが、ちょっと手こずるサイズなら電動ポンピングで上げてこよう。しゃにむにフルパワーで巻いてくる人も見かけるが、焼き付きやブレーカー作動の故障を招きやすい。負荷をかけすぎず、楽しんでやり取りくらいでちょうどいい。
ダラダラと釣れ続く日など皆無といっていい。取り込んだら大抵の船では、船長が血抜きワタ抜き冷やし込みまでやってくれるので、結束部のチェックが済めばすぐにジグを放り込もう。食いの立った群れであれば、ジグを見つけさえすれば迷わずアタックしてくるはずだ。