近年ライトゲーム対象魚のジグヘッドに、太軸バリの製品が見られるようになった。なぜ太軸バリが必要なのか、そして太軸のハリにどのような長所・短所があるのか考えてみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
ジグヘッドのハリの太軸化
ライトゲーム用の太軸のハリはほんの2~3年前に出てきた印象だ。それが今では、各メーカーから結構ラインナップされるようになっている。従来のジグヘッドと共に併売されているような形だ。
これは単にどちらが優れているとかそういう話ではない。太軸の方がよく釣れるならすっかり置き換わっているはずだが、それもない。
太軸バリのメリットは、やはりハリ全体の強度が高いことだ。従来品の2倍以上の耐力があると謳うメーカーもある。しかしその分スポイルされる部分もある。つまり一長一短、なんでもそうかもしれないが。
太軸バリの長所
・耐力が強い。
・大きめのワームと合わせたときに、スイムが安定しやすい。
・金バリではハリそのものの面が大きいことから、フラッシング効果も高い。
・わずかではあるがハリの面積により水の抵抗感が増し、操作感が上がる。
太軸バリの短所
・魚にハリが見切られやすい。
・そもそも必要でない場面が多い。
・ワームのサイズ感とアンマッチなことも多い。
ライトゲームに太軸は必要?
以上の長所・短所をふまえて、ライトゲームに太軸のハリが必要か考えてみる。
結論から言うと、「必要なシーンもある」ということだ。たとえば、本命そのもののサイズがデカくて、しかも頻々とヒットする。アジメバルともに30cm級がバタバタと釣れるというような場合、太軸のハリの方が圧倒的に安心感は高い。それもドラグを締めて強気の勝負をしなければいけないストラクチャー周りでは、ラインと共にハリの耐力が求められる。
筆者は二度、28cmくらいのアジにハリを折られたことがある。ランディングしてから、フィッシュグリップで掴むまでに折られてしまったのだ。アジの上顎の奥はかなり硬くなっていて、実はこれくらいのサイズに呑まれると折られることがよくあるらしい。
またチヌやシーバスといった大型ゲストが頻々とくる場合も、太軸のハリはあった方がいい。ただ、ドラグを使ってもしょせんライトゲームのハリでは、ランカー級のシーバスやチヌがくると一発でハリは伸される。そこはあまり過度に期待しない方がいいだろう。