水温の低下とともに沖の深場へ移動するアオリイカ。ショアから狙いにくくなる冬に効果的なのが、船から深場を狙うティップランエギングだ。今回は最近のオフショアエギングで主流になっている厳寒期のティップランについて解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 山根充伸)
基本的な釣り方
釣り方のスタイルはドテラ流しが基本で、まずはエギを足元付近に投入し、流れていないときはスピニングタックルで少しキャストしてみよう。リールはフリーで、一気にボトムまでエギをフォールさせる。
エギが着底したらアクションの開始だ。巻きジャクリを数回入れ、すぐにラインを張ってティップにテンションをかけてアタリを待つ。このときのエギの姿勢は、流れる船に引っ張られながら横方向へスライドする、いわゆる水平移動の状態だ。
この釣りのアタリは、この水平移動中にしか出ないので、ティップに集中しよう。数秒待ってアタリがなければ再び底を取り直して、同じ動作を繰り返す。船が流されラインに角度がついてきたら、エギをピックアップして再度同じ動作を繰り返そう。イカの群れに当たれば、同船者に連鎖して釣れるのが特徴だ。
ボトムを確実に取る
この釣りは確実にボトムとのコンタクトを取らないと、アオリイカに出会うことはできない。船長から水深が伝えられたらエギを投入するのだが、このときのラインの送り出し方はスピニングならベールを起こして、ロッドをあおりながら海面にラインを乗せるように出し、一定のリズムでボトムまで一気に落としていく。
エギの着底は、送り出したラインの出が止まったり緩くなったりしたときだ。波やウネリで確認しづらいこともあるが、ラインの出と船の流れる速度を比べながら、着底をしっかり見極めることが重要だ。ベイトの場合はスプールの回転が止まるので、確認しやすい。
アクション&アタリ
アクションはロッドのバットを利用したシャクリ幅の小さい巻きジャクリ(シャクリ1回入れると同時にリールのハンドルを素早くひと巻きする)を、一定のリズムで行う。水深にもよるが、5~10回ほど入れてアピールしよう。
特徴的なアタリとしては、ロッドティップがピンと一瞬戻ったり、ティップがモゾモゾやフワフワ揺れ動いたり、コツッとしたり、ティップが引き込まれたりなど。あれ?これ?ん?と感じたときは、とにかくアワセを入れてみよう。
アタリが出ても乗らなかったときは、通常ボトムまでエギを落としてシャクり直すのだが、この時期は空振りしてもエギを落とさず、上に上がったティップをその位置から超スローに元の位置まで戻していく。このときに再度アタリが出ることがある。
ロングポーズ
ディープの釣りでは、実際重量級のエギをシャクっても、思っているほどアクションしていないのが現実。
着底後アクションなしでリールをくるくる巻くだけでも十分アピールでき、過去の実釣でもこの釣り方で良型を釣ることができている。また手に感じるエギの重みや疲れも軽減することができる楽ちんな釣り方なのだ。
超スローリフト&超スローフォール
イカは常にエギの後ろに着いていると信じることが大事だ。
ポーズを入れた後に超スローにロッドを持ち上げていき、ある程度上げたら今度は超スローにロッドを下げてみると、リフト中やフォール中にアタリが出ることがある。ぜひ試してほしい。
エギのローテーション
エギのカラーはとても重要だ。反応がないときは、どんどんエギをローテーションさせてみよう。カラーや重さは当然のことながら、シンカーの色やサイズとエギとのマッチングもいろいろ試してみて、その日の当たりエギを見つけだそう。
また同船者にイカがヒットしたら、そのヒットカラーやサイズを聞いて合わせていくことも、釣果アップにつながる。