伝統の「たたき網漁」が開始 水面でモノを「叩く」と魚が捕れるワケ

伝統の「たたき網漁」が開始 水面でモノを「叩く」と魚が捕れるワケ

福井の湖で、400年以上の歴史を持つ、伝統の「たたき網漁」が始まりました。この漁法、魚たちのとある性質を利用しているようです。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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その他 サカナ研究所

なぜ「叩く」と魚が捕れるのか

魚には他の生物にはない「側線」という器官が存在しています。これは水流や水圧、音波などの「振動」を感知するための器官です。

水中では空気中と比べると、とくに音や衝撃などの「振動」が伝達されやすい環境となっています。そのため、危険から身を守ったり、餌を見つけるためには「振動」を敏感に感知する必要がありました。

伝統の「たたき網漁」が開始 水面でモノを「叩く」と魚が捕れるワケ側線(提供:PhotoAC)

そのため魚たちは進化の過程で側線を発達させていき、結果として非常に敏感な器官になったのです。しかしそれゆえに強い振動に対してはとても弱く、大きな音ですぐにパニックになったり、ショックで仮死状態になってしまうこともあります。

たたき網漁や石打漁など各種の「叩く」漁は、魚のこの様な性質を利用したものだといえるでしょう。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>