今年は秋の新子アオリイカが好調の模様。新子だけでなく750gの親イカもキャッチすることができたエギング釣行をお届け。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター森英雄)
目視で親イカ発見
少し深いところにあるエギと周りの新子を観察しながらそんなことを考えていた時、エギの右の方で白くて大きな生物がゆらりと動くのが見えた。親イカだ!
今年は何回か親イカが泳いでいるのを見ていたため、白くて大きな生物の正体がすぐに分かった。幸いすぐに泳ぎ去る様子はない。エギは親イカの左2m。チョンチョンチョンとエギを動かす。新子に抱かせるためではない。親イカにエギの存在をアピールするためだ。
知らん顔をしている親イカに、もう一度チョンチョンとエギを動かしてアピールする。が、やはりエギに興味を示す様子はない。2号のエギじゃアピール不足か……。そんな考えが頭をよぎった時、今度はエギの左側にもう一つの白い影がヌッと現れた。右側のヤツより一回り小さい親イカだ。今まで気づかなかった(見えなかった)が、おそらく近くにいたペアの片割れなのかもしれない。
エギをチョンチョンと上下させる。と、エギの左側にいる小さい方の親イカが明らかにエギの存在に気付いた。
う~ん、大きい方のイカに気づいて欲しいんやけどな……。そんな贅沢なことを考えながらもう一度エギをチョンチョンとやる。
親イカがついにヒット
左側の親イカがエギにス~っと近づいてき、おもむろに足をひろげたかと思うと、搦め捕るようにエギに抱きついた。
瞬間、様々なことが頭をよぎる。
1、新子狙いだからドラグがユルユルやった……
2、そう言えばタモを持ってなかったぞ……
3、ライトゲーム用のロッドで寄せられるか?……
そんな心配事をよそに右手はアワセを入れていた。グッとくる重量を感じると同時に左手でリールのドラグを締める。心配事その1解消だ。
エギの右側にいた大きい方の親イカは、小さい方の親イカが吐く墨に驚いたように逃げていった。ペアだとしたらオスの方だろうから、メスを守る役割があるはずなのに、なんちゅう冷たいやっちゃ……。
などとのんきなことを考えている場合ではない。「Oさ~ん!Oさ~ん!」先ほどあいさつを交わしたOさんを呼ぶ。青物狙いの常連さんなのでタモは絶対に持っているはず。「すみませ~ん!タモを貸してください~い!」ぼくが呼ぶ声に、タモを持ったOさんが駆けつけてきてくれるのが見えた。心配事その2解消だ。
よし、後はイカとのやり取りだけだ。そう思って掛けた親イカの方を見ようとした時、プシュー、プシューという音が聞こえた。
え?もう水面に浮いたの?ライトゲーム用のロッドだが適合ルアー重量は1g~15g。重めのジグヘッドやフロートの遠投などもできるロッドだけあって、ベリーからバットにかけてはしっかりしている。引きに耐えているだけで親イカを浮かせるパワーがあったようだ。これで心配事その3も解消。
そのロッドパワーで、水面で逆噴射して抵抗するイカを、Oさんが降ろしてくれたタモへと無事誘導することができた。
750gの親イカをキャッチ
こうして周りの方の協力も得て釣り上げることができた親アオリイカは胴長23.5cm。
胴回りが丸々と肥えていて重量は750g。長さの割に重量のある親イカだった。この日の狙いは新子アオリイカだったが、この親アオリイカ1杯に満足して納竿した。