いよいよ秋本番。カカリ釣りもこれから最盛期を迎える。三重県紀北町引本浦と福井県おおい町本郷のフィールド別攻略法を紹介していこう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)
福井県:おおい町本郷
カカリ釣りは、ここ本郷で学んだといっていいほど大変思い入れのある釣り場で、カカリ釣り場としての歴史はかなり古い。私が最も通い続けたのは1970年代後半から80年代にかけて。その当時は大阪市に在住しており、本郷まで3.5時間はみっちりかかったが、月10回は珍しくないほど釣行した。
周りの家族を始め、渡船店までがあきれていたのを覚えているが、それだけ釣り場の雰囲気、釣果に惹きつけられる所だった。
本郷の釣り場は、若狭大島へとつながる青戸大橋をくぐり、手前から青柳~森の鼻から大浦へとポイントが伸びていく。私が通い詰めた若きころは、さらに精錬(精錬所前)~涙水とポイントも広大だったが、現在は青柳~大浦までの3カ所。
数&型ともに今季も好調
今のところ森の鼻のポイントは使われていないようだが、青柳にイカダ、大浦にイカダとカセが常設されている。イカダはいずれも安定した大型、カセは1~2人乗りで、好みに合わせてチョイスできる。
水深は青柳が6~8m、大浦で6~10m。潮流は穏やかなのでファミリーから上級者まで楽しめる。今シーズンの本郷は夏以降、小型クロダイの数に良型が交じってくるという釣れ具合で、船長から直接話を聞いても、「昨年に続き今季も好調」とのこと。
やはり釣り手によって釣果は左右されるが、ときには大型交じりで30匹超えといった好釣果も飛び出しているだけに、魅力は大きいだろう。
生きエビメインでローテーション
すでに生きエビへの反応はすこぶる良好のようだが、とにかく数を釣りたいなら生きエビがメイン。少しでも型を交えたいのなら、サナギとコーンは必須だ。
若狭湾では昔からサナギの釣りは「ブッコミ釣り」と、相場が決まっていたが、軽い仕掛けで潮流に乗せたり、潮があまり動かない場合は自分でサオを動かして広範囲に探るといい。
9月下旬~10月にかけて狙えるクロダイのサイズは20~35cmが中心になるだろうが、サナギやコーン、アケミ丸貝をうまくローテーションさせることで、良型クロダイが交じる可能性は広がる。複線を考え、スタートからエビ、サナギ、コーン、またアケミ貝をジワリジワリと効かせておきたい。
大粒エビのブッコミが有効
近年は三重県に移住したことで数年に一度程度しか釣行していないが、通っていたころに効果が高かったのが、大粒エビのブッコミ。さしエサに向かないような大粒エビがよく交じっていると思うが、少し大きめのオモリをハリから矢引きぐらいの位置に固定し、あまり遠投ではない周辺を探るというものだ。
頻繁に引きずって誘うのではなく、投入後着底したらラインをピンピンに張らずにゆるやかなテンションを穂先にかけて待つ。
この方法にヒットしてくるクロダイは意外に良型がそろうが、エビは大きいほどよく、その遊泳力を邪魔しない長ハリスを忘れずに。ハリスが長い分、投入時投げにくいのとハリスが絡みやいので注意を。秋に気になる北西風が風裏になるので、安心して釣行計画が組めるだろう。
コロナウイルスの感染が拡大するなか、感染対策、ルールやマナーを遵守して、思い出に残る良い釣りを楽しんでいただきたい。
<週刊つりニュース中部版 山本太郎/TSURINEWS編>