伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「一発を使った角麸セット」。今回はバラケについて考えてみよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
タッチの基本は硬ボソ
角麸セットもセット釣りの一種です。ならばバラケブレンドやタッチは、おろそかにできない部分です。この点について、どう考えますか?
「バラケの基本は”硬ボソ”。角麸セットの場合は、これ一点でほぼいいと思う。あとはそれをどれだけ持たせるかとか、バラケのサイズに気を配ればいいんじゃないかな」
練らずに、硬めに仕上げるのですね?
「そうだね。ゆえに粉量に対して、水分量はかなり少なめになる」
実釣時のブレンドはたしか『バラケマッハ』『段差バラケ』『新B』が各400ccに水が200ccでした。かなりのボソタッチですよね。
「まあブレンドはともかく、水分量はかなり少なめだね」
いつもこのブレンドですか?
「いや、そんなことはない。今回は加須吉沼だったからこの配合にしたけれど、これが野釣り場だったらもっとさなぎ粉(集魚成分)を多めにしたブレンドにするかもしれないね」
たとえば段差バラケ単品とか?
「それかまとめ役として使った『バラケマッハ』を抜いて『段差バラケ』と『新B』だけで作るとか」
お釣りバラケとは?
いずれにしても硬ボソタッチに変わりはないわけですね。それをどうハリに付けますか?
「丸めるだけではボソボソすぎて付けづらいから、その前に手のひらでギュッと握って圧をかけておくといいよね」
それだと形状がいびつになりませんか?エサに指の押し跡がついてしまうような気がするのですが……。
「それでいいんだよ。もし、いびつ過ぎて気になるようなら、軽く形状を整えればいい」
何回くらい握るのですか?
「そこがこの釣りのキモかな」
なるほど。握る回数でバラケ方をコントロールするわけですね。
「そういうこと。あと大きさもね。ある程度魚が寄ってきて釣れ始まったら、バラケ量は少なめにしたほうがアタリが続くことが多いからね」
つまり、拡散するバラケ粒子の絶対量を減らすわけですね。
「そういうこと。横で見てて気づかなかったかな?魚がヒットして取り込むときに、上バリにバラケが付いたままになっていたのを」
そういう時がありました。たしか”お釣りバラケ”と言っていましたよね?たまたまそうなったのかと思ってましたが、失礼しました(笑)。じつはバラケのタッチをコントロールしていたのですね。
「何も、お釣りバラケにすることが目的ではないけど、バラケにかける圧を強めにしたら、そうなっただけなんだけどね」
向こうアワセが多い
でも基準にはなりますね。釣れている時ならこの程度バラケが残るくらいに圧をかければ、次もヒットする確率が高まるなど。でもバラケが残るのは、何もバラケタッチだけの影響ではないですよね。強くアワせていないから、バラケがハリに残ったままになっているとも言えます。
「よく気づいたね。角麸セットの場合は、向こうアワセになることが多いから、アワせる必要はないんだよね。むしろアワせないほうが、ハリス切れを防げるし」
そういえば、竿を持っていかれそうにもなってましたよね(笑)。
「そうなんだよ。だからこの釣りをよくやる人は、竿尻に尻手ロープを結んでいる人をよく見かけるよね」
角麸セットのアタリは豪快ですから、それを楽しみつつも、竿には要注意ってことですね。
「そうそう。向こうアワセになりやすいからこそ、竿尻からは常に手を離さないようにね」
次回も「一発を使った角麸セット」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>
加須吉沼