毎年ゴールデンウィーク明けから、熊野灘沿岸に接岸する小型のアカイカ。日本海側ではマイカとかシロイカとか呼ばれるが、標準和名はケンサキイカ。イカ類の中でも食味ではアオリイカに並んで最上位にランクされる高級イカなのだ。熊野灘で釣れるアカイカは小型が多いが、数が出るし身が軟らかいので味も抜群。今年はやや出足が鈍かったが、ようやく3ケタ釣果が出始めたとのことで、三重県・紀北町紀伊長島三浦から出船しているフィッシング光栄の仕立船で出撃することにした。
前半は群れを探して流浪の旅
今回同行したのは、名古屋市の梶川さん。
毎年この時期のアカイカを楽しみにしている、フィッシング光栄の常連さんだ。
釣り方はもちろんイカメタル。
夜の釣りのイメージが強いが、三浦沖ではこの時期限定で日中イカメタルができる。しかも水深20mに満たない浅場なので、スッテも非常に軽くライトゲーム感覚で楽しめるのだ。
午前7時に出船し、ポイントまでは20分ほど走る。
カリスマ船長は魚探とにらめっこしながら、アカイカの群れを探していく。
だが、それらしき反応がなかなか出てこない。
怪しい反応を見つけてはスッテを落として探っていくが、時折小サバが掛かってくるだけでなかなか本命らしきアタリはない。
何度も移動を繰り返し、ようやく最初のアカイカが釣れたのは開始から2時間以上たってからだった。
このイカは必ず群れでいるため、1匹釣れたら間違いなくチャンス。
最初のアカイカを釣ったカリスマ船長にレンジを聞くと、15mとのこと。
いつもの年なら中層以上に浮いていることが多いのだが、この日はやや下層のレンジのようだ。
素早くスッテを沈めて軽くリフトさせると、クッとティップを押さえるアタリ。
軽くアワせて無事アカイカをキャッチした。だが、後が続かない。群れが小さいのか、活性が低いのか。
その後再び群れを探して流浪の旅が始まった。
明らかにアカイカ!という反応もあるが、スッテに反応しないことが多い。
だが、カリスマ船長はどこか余裕の表情。
その理由が分かったのは、昼を少し回ったころだった。