伊藤さとしのプライムフィッシング【ヒゲトロでトロ巻きセット:第3回】

伊藤さとしのプライムフィッシング【ヒゲトロでトロ巻きセット:第3回】

伊藤さとしのプライムフィッシング。伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「ヒゲトロでトロ巻きセット」。今回はバラケとブレンドパターンについて紹介しよう。

(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)

アバター画像 TSURINEWS編集部

淡水の釣り ヘラブナ釣り

トロ巻きセットは「誤飲」狙い

食わせのトロロがいかに進化しようとも、バラケが釣況にマッチしていなければ話にならない。そこで今回は上エサ(バラケ)について考えてみよう。

よくトロ巻きセットのバラケはダンゴタッチと言われます。つまりこれは、両ダンゴとほぼ同じということですか?

伊藤 さとし

「いや、まったくの別物だよ。持たせ気味にしないとアタリが出にくいから、ダンゴタッチと表現されることが多いけど、中身はバラケだよ」

 

と言うことは上エサは食わせるようなタッチではなく、あくまで下バリのトロロを食わせるための”誘導係”ですね?

伊藤 さとし

「うーん…、そこがまた微妙に違うんだな。そもそも、この釣り方は”誤飲”狙いなんだよ。バラケ粒子を食べに来た魚が、気づかないうちにトロロも一緒に吸い込んでしまう。つまり、いかに食わせのトロロを誤飲しやすいようにさせるかが、この釣りのキモとも言えるんだ」

 

ハリス段差は狭くする

であれば、ウドンセットとか角麸セットと考え方は同じですよね?

伊藤 さとし

「そうなんだけど、最大の相違点はバラケと食わせの距離感かな」

 

伊藤さとしのプライムフィッシング【ヒゲトロでトロ巻きセット:第3回】ハリス段差が狭いのが特徴(提供:週刊へらニュース伊藤さとし)

それはつまり、ハリス段差のことですか?言われてみれば、たしかにトロ巻きセットのハリス段差幅は少ないことが多いですね。よく聞くのが8~15cmとか。

伊藤 さとし

「そう、つまりは接近戦なんだ。だからバラケも、それに合ったものが求められる」

 

伊藤さとしのプライムフィッシング【ヒゲトロでトロ巻きセット:第3回】トロ巻きセットは接近戦(作図:週刊へらニュース伊藤さとし)

なるほど、狭いハリス段差にマッチしたバラケですか。

伊藤 さとし

「そうなると大きく(広く)ではなく、コンパクトにしかも高密度にバラける上エサが必要だってイメージが湧いてくるでしょ?」

 

バラケのブランドは?

たしかにそうですね。ゆえに、ダンゴタッチなどと表現されることが多いのですね。であれば具体的には、どのようなバラケのブレンドでしょうか?

伊藤 さとし

「さまざまなブレンドパターンがあるけど、今回は3種類を紹介しようと思う。ベースは『バラケマッハ』で、あとは狙う水深(タナ)によって相方となる銘柄を入れ替えるだけ。簡単でしょ」

 

・浅ダナ(メーター前後):『バラケマッハ』900cc+『BBフラッシュ』200cc+水200cc。

・短竿チョウチン:『バラケマッハ』900cc+『凄麩』200cc+水200cc。

・長竿チョウチン:『バラケマッハ』900cc+『カルネバ』200cc+水200cc。

伊藤さとしのプライムフィッシング【ヒゲトロでトロ巻きセット:第3回】長竿チョウチンに適したブレンド例(提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
伊藤 さとし

「3パターンとも、出来上がりは硬め。それを小分けして、手水と押し練りで両ダンゴっぽいタッチにすれば、自然とトロ巻きセットに適したバラケになるよ」

 

練るのは最小限に

どのブレンドもエサが2種類で足りて、とても簡単そうですね。ところで、練ってはダメでなのですか?

伊藤 さとし

「持たなければ練ってもいいけど、粒子をつぶしてしまうような練り方は、できれば最小限に抑えたい」

 

伊藤さとしのプライムフィッシング【ヒゲトロでトロ巻きセット:第3回】ボウルの中でさっとかき混ぜるだけ(提供:週刊へらニュース伊藤さとし)

そこが両ダンゴとバラケの違いなのですね。

伊藤 さとし

「そういうこと。よくトロ巻きセットなら上エサを食ってきてもOKと言うけど、それは食ってきてもいいというだけで、積極的に食わせるものじゃない。あくまで食わせたいのは下エサの『ヒゲトロ』。そこのところを勘違いしないようにね」

 

次回も「ヒゲトロでトロ巻きセット」です。

【ヒゲトロでトロ巻きセット:第1回】を読む。

【ヒゲトロでトロ巻きセット:第2回】を読む。

次回も「ヒゲトロでトロ巻きセット」です。

<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
精進湖
取材協力:金風荘 TEL=0555(87)2020
この記事は『週刊へらニュース』2021年8月20日号に掲載された記事を再編集したものになります。