イサキの旬は寒の時期?それとも梅雨?「旬」論争は置いておいて、今回はおいしいイサキの見分け方を、奈良県中央卸売市場の丸中水産株式会社勤務の著者が紹介。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)
イサキの旬
冬場の寒イサキは脂が乗っておいしく、イサキの旬は冬だと描いているサイトもある。しかし、寒の時期のイサキは釣るのが難しい。なかなかエサを取らないのだ。やはり旬と言うのは浅場に産卵に集まる漁獲の最盛期であるように思う。つまりは5月後半から6月の、いわゆる麦秋のころ。このころのイサキは麦わらイサキ、梅雨イサキなどと呼ばれる。
また多くの魚が産卵によって身の味を落とすが、イサキはあまり痩せない。産後も元気でおいしい希少な魚でもある。
イサキの目利き
イサキはスーパーの鮮魚コーナーでも切り身ではなく1匹で並ぶことが多い。 購入する時、ほとんどの鮮魚で「目が澄んでいるもの」を鮮度の目安とするが、イサキは新鮮なものでも目が曇っていることが多い。もっとも釣りたてのクリッとした目は澄み切っていて無茶苦茶かわいい。
エラの真紅な物は鮮度もいいが、パックされていて確認できない時は魚の色を見る。捕れてから時間の経過とともに体色がぼやけてくる。特にお腹側が白っぽくぼやける。
イサキ料理
産卵期に食べるなら、自分は白子がおいしく思う。普段は女性のほうが好きだが、イサキはオスのほうがいい。見分けるのは排泄腔から漏れている液をみるしかない。白子のホイル焼きや天ぷらは堪らない。
刺し身は皮をひくが、この時多くの魚が鱗をとるのだがイサキは皮が薄いので鱗付きのまま皮をひいたほうがひきやすい。またこの鱗付きの皮を串に巻き油で揚げたら、鱗が花のように広がるから揚げとなり、いい肴となる。
もちろん皮付きのまま炙るタタキも、熱湯をかける湯引きもおいしい。カルパッチョ、煮つけ、焼き物とどんな食べ方でもいける。