初夏の波止やサーフはキスのパラダイス。前編の【タックル編】に引き続き、後編では実際の釣り方を解説していきます。
釣り方
さて、タックルが揃ったら現場に出てみよう。
キスの場合は現地近くの釣具店からの情報などにも、釣果がよく紹介されている。
シーズンに入ると安定して釣れるので、「釣れ出した」や「釣れている」情報をよく収集したい。
タックル、仕掛け、エサをセットしたらとりあえず軽く投げてみる。
オモリが軽いので水深のある場合は、着底まで少し時間がかかるから、その時はミチイトを送って着底させる。
基本は引き釣り
基本となるのは投げ釣りでも定番の「引き釣り」。
オモリが底に着いたらラインを張って、ロッドでゆっくりと引きずってくる。
引きずる速度はキスの活性によってもかわるから、いろいろな速度を試してみるといい。
キスのほかにガッチョ(ネズミゴチ)やフグ、チャリコ(マダイの幼魚)などのエサ取りも多い時期に入ってくるので、慣れてくるとエサ取りを避けてキスを食わせる速度を探すと、効率よくキスが釣れる。
キスのアタリは本来、最初にモゾッとかモワッとした前アタリが出るが、それが分からなくても、次にやってくるブルブルンと激しい本アタリはすぐに分かるはず。
特にライトタックルでの釣りなので、キスのアタリは非常に激しく伝わり、爽快感が楽しめる。
【アタリ】
アタリがあればそのまま軽くアワせるようにロッドを立てて、引きを楽しみながらゆっくりとリーリングして寄せてくる。
テンビンや仕掛けが水面から飛び出すほど速く巻くと、水面を飛び跳ねてしまったキスがハリ外れでバレることも多いので、水面下を滑ってくるくらいで寄せよう。
複数本のハリが付いている釣りでは追い食いを待ちながら引きずり続けることも多いが、ライトタックルのチョイ投げでは、1匹ずつのアタリや引きを楽しみながら釣りたいものだ。
【移動】
同じ場所で釣っているとキスの警戒心が強くなったり、群れが散ったりするので、同じ釣り座から扇形に投げて探りアタリがなくなったら、少しずつ場所を移動していこう。
そのためにチョイ投げの場合は、ロッド1本、ウエストバッグ、小型クーラーを持つ程度の軽装で、移動を楽にできるようにしたい。
キスは群れでいる魚なのだが、軽い仕掛けで釣ることで群れが散り難く、アタリが続くのが特長だ。
時合いは早朝がメーンで、日が高くなると食いが悪くなるので、頑張って早起きをしてキスの爽快な引きを味わおう。
注意点
注意点だが、キス釣りの外道にはハオコゼなど毒トゲを持つ魚や、歯が鋭いフグなども釣れる。
見慣れない魚は触らない方がいいし、できれば魚をつかむグリップや魚ばさみとプライヤーは持参しておきたい。
また、手軽な釣りとはいえ、海に直面してのレジャーだけに、ライフジャケットや足まわりの安全対策は十分に。
釣りたてのキスのフライや天ぷらは身がフワフワで非常においしいぞ!