手軽で楽しい陸っぱりの釣りだが、知らないと大変なことになる危険な魚が釣れることもある。ここでは知っておきたい「波止で釣れる危険な魚」を紹介する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
危険な毒魚に注意
手軽で楽しい陸っぱりの釣り。特に堤防は足場がよく、初心者や子どもにも最適なフィールド。しかし、自然相手のレジャーだけに危険は多く、救急救命キットやライフジャケットなどの装備は万全に。そして何より大切なのは知識。ここでは知っておきたい「波止で釣れる危険な魚」を紹介する。
ハオコゼ
危険レベル:★
危険部位:背ビレ
詳細:背ビレのトゲが毒腺を持っており、刺さると数時間、軽い痛みが続く。重症化すると嘔吐や下痢、腹痛、呼吸困難に見舞われる。
毒の種類:詳細は未解明だが、熱で急速に分解される性質を持つことが分かっている
対処:まずは傷口を確認。トゲが残っている場合は除去しよう。刺された箇所をつねって毒を排出してから、傷口を火傷しない程度のお湯に浸けて毒を分解する。45度前後のお湯に30~90分浸すのが理想だ
ゴンズイ
危険レベル:★★★
危険部位:背ビレと胸ビレの第一棘条
詳細:刺されると激痛に見舞われる。対処をおこたると、刺された指から肩まで腫れ上がるほどの症状に見舞われることも。重症化すると嘔吐や下痢、腹痛、呼吸困難に見舞われる
毒の種類:ハオコゼと同種
対処:ハオコゼと同種の毒で熱に弱い性質。同じく傷口を確認してトゲが残っている場合は除去、刺された箇所をつねって毒をしぼり出したら、傷口を火傷しない程度のお湯に浸けて毒を分解する。45度前後のお湯の温度に30~90分浸すのが理想
エイ類
危険レベル:★★★
危険部位:尾にあるトゲ
詳細:一部、尾に毒トゲを持つ種がいる。代表的なものはアカエイ類で、尾の中央部分に1~数本を有する。上記の2種と違い、暴れて尾を振り回し、積極的に攻撃してくる可能性があり危険。釣れたらハリスを切ってしまおう。近づかないほうが無難。重症化すると嘔吐や下痢、腹痛、呼吸困難に見舞われる。
毒の種類:ハオコゼやゴンズイと同種
対処:エイの毒も熱に弱い性質を持つ。まずは傷口を確認してトゲが残っている場合は除去、刺された箇所をつねって毒を出してから、傷口を火傷しない程度のお湯に浸けて毒を分解する。45度前後のお湯の温度に30~90分浸すのが理想
フグ類
危険レベル:★★★★
危険部位:筋肉や内臓など
詳細:種類によって毒を持つ部位、毒性が違う。筋肉に毒を持たない(または弱毒)種類が食用として流通しており、その食味の素晴らしさが知られる一方、処理免許を持たない人の調理による事故が絶えない。
テトロドトキシンという強力な神経毒を有している場合があり、食すると呼吸困難から死に至ることがある。トゲなどから注入されるようなことはなく食べなければ影響はないので、見ているぶんには安全でかわいい魚。
「ハイブリッド」といわれる、別種のフグが掛け合わさった個体が確認されており、どこの部位に毒を持っているかまったく分からない。絶対に個人の判断でさばき、調理、食するのはやめよう。
毒の種類:テトロドトキシン
対処:熱に極めて強い耐性があり、現在、解毒方法は見つかっていない。神経毒は人体の神経伝達を遮断する能力があり、正常に呼吸ができなくなるため窒息死する。毒は時間とともに体内で分解されて排出されるが、その前に死亡する。中毒症状がでたら、周囲の人は速やかに人工呼吸をおこない、同時に救急車を呼ぼう。医療機器によって呼吸を助け、毒の排出を待てば助かる