今日は何の日:11月23日は『牡蠣の日』 由来は勤労感謝の日にアリ?

今日は何の日:11月23日は『牡蠣の日』 由来は勤労感謝の日にアリ?

11月23日といえば「勤労感謝の日」ですが、実は「牡蠣(カキ)の日」でもあるそうです。その由来について調べてみました。

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なぜ11月23日は「牡蠣の日」?

本日11月23日といえば、「勤労感謝の日」の祝日。師走の忙しさを前にホッと一息つくことができる貴重なお休みですが、実は今日はそれだけではなく「牡蠣の日」でもあるということをご存知でしょうか。

「牡蠣の日」は2004年に、全国漁業協同組合連合会(全漁連)によって指定されました。なぜこの日になったのでしょうか?実はその理由は、「勤労感謝の日」であることも関係しています。

今日は何の日:11月23日は『牡蠣の日』 由来は勤労感謝の日にアリ?カキの出荷が増えてくる時期(提供:PhotoAC)

栄養分豊富なカキは、疲労回復にぴったりな食材。そのため、「カキを食べて日頃の勤労の疲れを癒してほしい」という思いから、勤労感謝の日に被せる形で指定されたのだそうです。

そして、これからやってくる寒い冬は、鍋物商材、贈答用等としてカキの需要が増大し、出荷量も増える時期です。そのためこの時期に「牡蠣の日」を指定することで、消費者の意識をカキへ向けさせるという目的もあったのだそうです。(『11月23日は【 牡蠣の日 】なんです』KAKIPEDIA 2020.11.4)

カキが疲れに効く理由

昔から「精力がつく」食材としてのイメージが強いカキ。これはイメージだけのものではなく、実際にカルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、銅など多くの栄養を豊富に含んでおり、疲労回復や滋養強壮に最適な食べ物のひとつと言えます。

それだけでなく良質なたんぱく質をも多く含み、その栄養価の高さから「海のミルク」とも呼ばれています。他にも肝臓の働きを助けるグリコーゲン、肝臓にたまった中性脂肪を減らすタウリンも含むため、年末年始など飲み会が増える時期のおつまみとして、カキを取り入れるのは大変効果的です。

今日は何の日:11月23日は『牡蠣の日』 由来は勤労感謝の日にアリ?レモンを添えるのは栄養学的にも良い(提供:PhotoAC)

上記の栄養素には、ビタミンと一緒に摂取することで吸収率が上がるものもあります。そのためカキを食べるときは、ビタミンDを多く含むきのこ類や、ビタミンCを多く含む旬の青菜と一緒にとるのがおすすめです。

カキの漁獲量と消費量

日本の養殖魚介類の中ではノリについで収穫量が多いカキ。平成30年のカキ類の養殖収穫量は全国で17万6698tとなっており、そのうち60%弱に当たる10万4014tが広島県で生産されています。宮城県(2万6086t)、岡山県(1万5510t)が広島に続いていきます。(『令和元年漁業・養殖業生産統計』農林水産省大臣官房統計部 2020.5.28)

古くから人気の海産物で、最近では「オイスターバー」の流行などもあり生産量の多いカキですが、実は養殖量、消費量ともに漸減傾向にあります。これにはいくつかの理由がありますが、「東日本大震災」はその最大のもののひとつ。

東北地方を襲った津波で、入り江のカキ養殖場が甚大なダメージを受けてしまい生産量が大きく減少、それに伴う消費量の減少により、生産量も更に減ってしまう……という悪循環が発生してしまったそうです。

今日は何の日:11月23日は『牡蠣の日』 由来は勤労感謝の日にアリ?入江で養殖されるカキ(提供:PhotoAC)

この状況を打破するため、2012年にカキ生産量ランキング1位の広島県と2位の宮城県の行政および各県の漁業協同組合が手を組み、キャンペーンを開催しました。またそれ以降も各地でカキ消費拡大のための催しが開催されており、養殖魚介類の雄であるカキの復権が進められています。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>