人気上昇中のタルイカメタル、最盛期はまさにこれからだ。今回このゲームのパイオニア岩城透さんの協力のもと、基本的な釣り方から、ちょっとした応用テクまでを紹介。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
タルイカの生態
生態については不明な点が多いが、生息の本拠地は南日本の太平洋や東シナ海。このうち対馬暖流に乗って北上してきた個体群が、秋に北陸の海に到達する。推定されている日々の生活環境は、日中は水深200m以上の深場におり、日没とともにエサの多い浅海域に浮上。捕食を行った後、夜明け前に深場に戻っていくようだ。
産卵を控えた秋はカップルで行動しており、複数のカップルが集って群れを形成する。ただし、群れといっても密集しているのではなく、グラウンドほどの広さの範囲に数グループが点在するような距離感で群れを構成しているようだ。
続いてタルイカが普段食べているものだが、主なエサはスルメイカやマイカ、イワシ、サバのほか、深場に多いハダカイワシ類など。いずれもタルイカの生活圏で、遭遇機会が多い生物だ。
見た目の特徴
そして、身体的特徴。成体の眼球は、野球ボールのほどの大きさをしており、目が大きい分視界も広い。エサを探知できる範囲は数mから10m前後と推定される。また1年であれだけの巨体に育つのだから、相当な量のエサを食べていることは間違いない。
明確な時合いが存在することから、ひと晩中食べっぱなしというわけではないようだが、捕食モードに入ったときは、極めて貪欲になるのは間違いないだろう。以上がタルイカの大まかな生態だが、ここから具体的な釣り方について解説していく。
タルイカメタル用タックル
続いてタルイカメタルのタックルを紹介しよう。
ロッド
まずはロッド。専用ロッドが発売されており、持っている人も多いと思うが、入手できないケースもあると思う。そこで代用できるのが、ライトジギングやタイラバで使用するロッドだ。
200g前後のルアーを操作でき、適合ラインPEライン1.5~2号程度のパワーで、長さは6ft台のもの。調子はファーストテーパー気味で、ティップがソリッド素材の柔軟なものがベストだ。
青物用のジギングロッドやスロージギングロッドも代用できるが、曲がらず高反発なロッドの場合はルアーのカンナ、使用ラインなどに負担が集中しないよう、ドラグ設定ややり取りなど、トータルバランスを考慮した対応が必要になる。
リール
続いてリール。ダイワ製で言うと200番のライトジギング用ベイトリールが適合する。20kgに迫る大物とPEライン1.5~2号で渡り合うので、ドラグ性能に優れ、耐久力のあるものが必須。ギア比については、緩急の誘いに対応できる点、手返しの良さやタナ変動に素早く対応できるという点で、ハイギアがお勧めだ。
ライン
メインラインはPEライン1.5~2号を300m巻くこと。リールのドラグは2~3kgに設定する。リーダーは10~12号(35~40lb)を6~10m。根ズレがない釣りだが、船べりまで寄ってからタルイカがダッシュし、船体にラインが接触するケースや、ランディング時に船長がリーダーをつかむ場合も多いので、6mは必要。また最長10mまでと長いのは、PEラインのマーカーの端数を足して、計10mになるようにすれば、タナの把握が容易になるからだ。
ルアー
アニサキスのタルブリッドなど、タルイカ専用のものを使う。重さは180~210gなど。狙う水深やラインの太さによる潮の抵抗、当日タルイカが好む沈下速度などを見極めながら使い分けよう。
カラーは、アピールが強いオールグローやチャートグロー、中アピールのピンクグロー、ナチュラル系のスルメ(茶系)やサンマ(青+シルバー)、目立ちにくいクリアやブラックなど、それぞれ役割がある。目立たせたければ強アピールのカラーを、ベイトに似せたければナチュラル系を選択する。
目立ちにくいカラーは、満月&澄み潮の状況下や、サゴシやスルメイカが多いときによく使われるが、タルイカがスレてきたり、周囲のみんなが派手なカラーを使っているときに、効果的なケースがある。
この他、最初のアタックで乗り切らなかったタルイカに対し、コントラストが異なる色のルアーを再投入すると、一撃で抱いてくる場合もある。カラーはいくつか用意し、アングラーの戦略で使い分けよう。