何も目印がない海の上。GPSへ無数に打ち込まれたマークを目指して走る。魚探をのぞくと、やがてフラットだった海底に突然、人工物らしきものが現れ、その周囲には魚の反応がびっしり。「はい、〇~〇mでやって。」日々繰り返される船上の光景だ。
ハナダイ釣りにこだわり
釣り船を始める前は、職漁船でヒラメの一本釣りをしていた。
その後、ヒラメではなく、ハナダイ専門の遊魚船に転向。
その理由はごくシンプル。
「ハナダイ釣りが好きだから」という、外房片貝港の喜美丸・小栗山勝彦船長。
ここ片貝沖には古いものから新しいものまで、数えきれないほど点在する魚礁のなかから、その日の潮を読み、蓄積されたデータと照らし合わせながらポイントやタナを決める。
「釣らせたい気持ちから、たまに語気が強まることもある。それも一つのやさしさかな……」と父親の人柄を話すのは、健一若船長。
少しこわもてで職人肌の勝彦さんと、人あたりの軟らかい健一さん。
絶妙な親子の掛け合いに足しげく通う常連は多い。
初夏、ハナダイは盛期を迎える……。
<週刊つりニュース関東版 佐藤/TSURINEWS編>
▼この船について
喜美丸
エリア:外房エリア
出船港:片貝港