命を守るために釣りのジャンルに関わらず必携なのがライフジャケット、救命具だ。今回は釣りシーンに合わせた救命具の選び方を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
救命具の必要性
今や、釣りを始めるためには、釣り具より先に揃えておきたいのがライフジャケット、つまり救命具です。救命具は通常は出番こそ少ない(出番がないのが一番良い!)ですが、万一のことを考えて、水辺では常に付けておきたいアイテムです。
船釣りや渡船などを利用する際には、船長から「ライフジャケットを着けてください」といったアナウンスをされることも多々あるため、比較的着用率は高いようですが、フリーで行ける波止などでは、アナウンスしてくれる人も少ないため、着用していない人をいまだに見かけるのが現状です。
自身の安全を守るためだけでなく、万一の際に周囲や身内を悲しませるなど、決して幸せな方向には向きません。どんな状況であれ、水辺に出る時は救命具着用を心がけてくださいね。
救命具のタイプ
救命具のタイプはシステムや形状など、さまざまなタイプが存在します。中でも2つの主流となるのが、ウレタンなどの浮力材をあらかじめウェアの中に挟み込んだ、「浮力材」使用タイプの救命具です。
もう一つは空気を圧縮したボンベが仕込まれていて、浮き輪のような浮力体に空気を送り込んで膨らませる、「膨張式」と呼ばれるタイプです。また、膨張式は首に掛けるタイプと腰に巻くタイプ、それぞれには水に浸かると勝手にボンベから空気が浮力体に入る「自動膨張式」、または自分でヒモを引っ張ることで空気が入る「手動式」などがあります。
桜マークとは
現在では、どのような救命具でも着けていればOKというものではありません。その釣りシーンに応じたタイプを使用するのはもちろんですが、使用できる型式があります。
2016年に全ての小型船舶を対象とした救命具の着用義務化が始まりました。この取り組みの中で、救命具には国土交通省が規定する安全基準に適合したものが必要であることが定められています。この安全基準を満たした救命具には「桜マーク」が付けられています。
要するに、この桜マークが付いていない救命具を着用していたとしても、実際には着けていないのと同じ、違反とみなされるので注意が必要です。
桜マークは膨張式なら膨らむ浮き輪に印字されていたりと、救命具のどこかにきっちりと明記されています。もし、釣り具ショップで救命具を購入する際には「桜マーク付きの救命具ですか」とスタッフに必ず聞いてみてください。
使用できるタイプ
桜マーク以外に、用途に応じて使用できる救命具のタイプも決められています。それが桜マークとともに表記されている「TYPE」で、「A」「D」「F」「G」と分かれます。実はこのアルファベットは救命具のグレードを示す物で、「A」がもっとも高グレード、そこからD→F→Gとグレードが下がります。
詳細は省きますが、「G」グレードだと、ほぼ通常の釣りには使えません。釣りに使用する場合はもっとも高グレードの「TYPE・A」を用意しておけば、問題ありません。
ここからは前述したタイプ別にどのようなシーンでよく使われるのかを紹介していきましょう。自分がどの釣り用に揃えるのかを明確にしておくことで、いざ現地で「こんなハズではなかったのに…」という事態を防ぎましょう。