8月8日、和歌山市内を流れる紀ノ川へ今シーズンのハゼの様子をうかがいに行ってきた。今回はその時の実釣の様子を通して、地形や波からハゼの付き場であるカケアガリを見つける方法を解説したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・牧野博)
濁りとれようやく釣行
今年は降水量が非常に多く川の濁りがなかなかとれず、ハゼ釣りの好機を目前にして、読者の皆様に適切な情報をお伝えすることができるが気を揉んでいた。
が、おかげ様でなんとか直近の8月中の実釣レポートをお伝えすることができ、ほっとしている。夕刻の比較的短時間の記録であるが、釣行時の参考にしていただければ幸いである。
南海電車鉄橋上流側で実釣
8月8日、夕方にかけての上げ潮を狙って釣行(16時30分~18時30分)。ポイントの南海電車鉄橋上流はせせらぎ公園と違い、潮位の低いときでないと入れない。釣り場の様子は写真を見ていただきたいが、ここは典型的なカケアガリと流れ込み狙いのポイントである。
カケアガリとは、簡単に言えば水深の変化が大きな場所である。海水浴に行かれた方なら、波打ち際からゆっくり沖の方向に向かって歩くと、急に深くなっているところがあるのに気づくと思う。ここがカケアガリで、ハゼはこの付近でエサを待っていることが多い。
カケアガリの見つけ方
水の透明度が高い時には見た目でも分かるが、ハゼ釣りのシーズンは水温が高く水の透明度の低い時期なので、見た目ではなかなかわかりにくい。当日も少し濁りが入っている状況だった。
そんなとき、川面の波立ちを見ると情報がつかめる。川面の様子を写した写真をご覧いただきたい。上げ潮と風で、川面が波立っているが、よく見ると波立ちが少なく、凪いでいる部分がある(赤い〇で囲んだ部分)。ここは周囲よりも深くなっている場所で、波立っている部分との境目にカケアガリが形成されている。砂浜や波止でキス釣りをするときにも、凪いでいる部分を探せと言われるのと同じである。
また、ポイント写真を見ると、波打ち際(汀線)は直線ではなく、ところどころ湾状に曲がっている。このミニチュアのような湾の中央部は深く、周囲に向かってカケアガリができている。写真には土管も確認できる。
カケアガリを探すときには、もちろんサオを入れて探ることが必要だが、このような水面の様子や、汀線の曲がり、地上部の様子も見逃さないことでポイントをより把握しやすくなる。