7月23日と8月1日に兵庫・神戸港西エリアの和田防波堤&新波止でサビキと落とし込みを楽しんだ。チヌの他、嬉しいゲストのサンバソウ(イシダイ)も登場した釣行の様子をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
午後は新波止で落とし込みに転戦
午後は沖の新波止に場所がわりして、落とし込み釣りに挑んだ。河内渡船では、和田防→沖の新波止→ポートアイランド赤灯波止の順番に回って乗降扱いをするので、和田防から新波止への場所がわりは船長に頼めばOKだ(逆の方向への場所がわりは不可)。
新波止は波止が北北東から南南西に向けて作られていることから、垂直ケーソン状の西向きが格好の釣り場となり、朝マヅメにはルアーマンやノマセ釣りの釣り人が数多く並ぶが、午後は人が減って落とし込み釣りの格好のフィールドになる。
エサとタックル
落とし込み釣りのタックルは、落とし込み専用ロッド3.9mに、ストライプカラーの落とし込み・ヘチ専用の2号ラインを巻いた落とし込み専用リールをセットする。
ラインの先には市販の目印仕掛けを接続し、ハリス1.7号を直結する。ハリスは硬めのものがよい。チヌバリ3号で、チモトにはガン玉2Bを打った。
エサはイ貝を別の場所で採取して持ち込んだ。長雨続きの梅雨のせいか、梅雨が明けてからは多くの場所でイ貝が壁面から剥がれ落ちたり、貝殻だけになっていたりと、エサのイ貝の採取が一気に難しくなったが、何とか半日使える分量だけは確保できた。
落とし込み釣りの方は7月23日に釣果がなかったので、8月1日はリベンジ戦となった。和田防から場所がわりして新波止に降りたのは午後1時半前。灯台の日陰で休憩中のベテラン釣り師から「午前中は目印の範囲内でよくアタってきた。夕方になったらチヌは心配しなくても食ってくるよ」と希望の持てる言葉をかけてもらった。
午後は上げ潮の好条件
中潮で、午前11時半過ぎの干潮からは上げ潮に転じ19時前に満潮になる、落とし込み釣りには絶好の潮回り。「夕方4時頃から本気出す」と一休みしようかと思っていた矢先に、遠く北のほうでヘチ釣りの人が竿を曲げていた。
若いながらも洗練された竿さばきで、腕前の高さがうかがえるヘチ釣り師が仕留めたのは銀ピカのチヌだった。実際に釣れた様子を見て、俄然やる気が湧いてきた。すぐさま身支度を整えて、私もいざ参戦。
何回かチヌを仕留めている釣り場なので、壁面ギリギリにエサと目印仕掛けを落とし込んでいく動作は私も慣れたもの。「タナは中層まで」と決めて、次々と探り歩く。
お宝『サンバソウ(イシダイ)』手中
すると、午後2時半前に「クッ、グッ」と明確な引き込みの感触。確信を持ってアワせるとヒット。引きは意外にも強い。チヌとは少し違うシャープな感触が手元に伝わってくる。
「カンダイ?」と思いきや、海面に見えた魚体を見て驚いた。縞模様はあるがチヌではない。ザラついた身体の表面に尖った口先。磯の王者、イシダイだ。食味はチヌを上回るお宝。これは絶対に逃したくない。海面に浮かせても底に突っ込もうとする。
手こずりながらも慎重にタモ入れし無事捕獲。サイズは33cmと波止で釣れた魚体としては上々。ニンマリして灯台に戻ると周りの釣り人から「おー、チヌより値打ちあるな」と祝福された。
「お宝ですわ」と私もマスク越しに言葉を返すと、別の釣り人から「サンバソウはよく引くから面白いわな」と言われ、少しションボリ気分に…。「イシダイ!」と胸を張って自慢したかったが、サンバソウでも嬉しいお宝には違いない。ストリンガーに吊るして釣り場に戻ることにした。
エイに四苦八苦
その後は一向にアタリがない時間が続く。潮の状況は「良いはずなのになぜ?」と疑問に思っていたが、原因は波止際をウロウロと遊泳するエイだった。3尾ぐらい貼り付いているようで、これでは浅ダナのチヌは散ってしまう。
そのうち好転するだろうと思っているうちに夕マヅメを迎え、すでに時間は4時半頃になってしまった。昼過ぎに見かけた若きヘチ釣り師が連発ヒットさせている。私も負けじと手返しを続けて探り歩くが、竿を曲げるのは彼ばかりで、私だけアタリがなく取り残されてしまった。
5時過ぎに波止の途中で彼と行き違う際に「どうですか?」と声をかけられた。「アタリがない。エイにも邪魔されてさっぱりです」とマスク越しに弱々しく答えると、「エイの去った後でも良いアタリが出ますよ。落とし込む時に刻みとか、ステイとか、変化を付けてみるといいかもしれません。今ちょうど時合いですよ。」と、励ましを込めてアドバイスしてくれた。