砂地に生息するシロギス(以下キス)。ホワイトパールのような美しさから「海の女王」とも呼ばれる。今回はキスの釣り方やポイント選定について解説してみよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 中濱友也)
夏の投げキス釣り
小さな魚だが、繊細なアタリと軽快な引きが楽しめる。また、砂に潜る習性があるキスは網で取るのが難しいため、市場で見かけることも少ない。夏が旬の新鮮なキスを味わえるのは釣り人の特権である。
夏はキスの産卵期にあたる。6月からお盆くらいまで毎日のように産卵を繰り返す。産卵のため水深10m以内の浅場にやってきたキスは、エサが豊富な浅場で産卵の体力をつけるために活発にエサを食べるようになる。そこに釣り人の投げたエサがあれば、食いついてくるのは当然の流れだろう。それが夏にキスが釣れる理由だ。
『ちょい投げ』タックル
キスを狙うには投げ釣りがベストだろう。投げ釣りといえば、長いサオに大型スピニングリールを装備して砂浜で大遠投するイメージなのではないだろうか。もちろん、投げ釣り専用の道具をそろえて釣った方が釣果は良いだろう。しかし、初心者にはちょっと敷居が高い。また、夏休みということで今回は、誰でも簡単に楽しめる「ちょい投げ」でのキス釣りを解説したい。
「ちょい投げ」とは、文字通り「ちょいと投げる」の意味だ。使用する仕掛けは下図の通り。
サオはシーバスロッドやコンパクトロッドなどで、10号程度のオモリを投げられるもの。リールは小型スピニングリール、ラインはPEラインなら1号、ナイロンラインなら3号が目安。オモリは根掛かりしにくいジェットテンビンがおすすめだ。テンビンに市販の投げキス仕掛けを付けたら完成だ。釣具店によっては全てセットになったものも販売しているので便利である。エサは青イソメ(青ケブ・青虫)を使用する。
その他の持ち物
釣具以外の持ち物は、ライフジャケット、タオル、飲み物、サングラス、クーラー(中に保冷材)、魚を入れるためのチャック付きビニール袋。保冷材がなければペットボトルに水を入れて凍らせる。保冷材やビニール袋は釣った魚の鮮度を保ち、魚の臭いをクーラーにつけないためだ。
また、新型コロナウイルス感染防止のためにマスクも準備しておこう。
キス釣りのポイント
キスは基本的に砂地の海底にいる魚だ。海底が砂地というのは絶対条件として、その条件に「ちょい投げで狙う」という条件をプラスすると、3つの釣り場が候補として挙げられる。
(1)砂浜
(2)砂浜が隣接した防波堤
(3)河口
産卵のため浅場に来ているので砂浜でも50mほど仕掛けを投げれば釣れる。防波堤は足場が良いためファミリーでも安心だ。そして、意外にも河口で釣れるのだ。淡水と海水が混じるのでエサが豊富なのと、卵を産みつける藻などが生えやすいからだ。砂浜と河口が隣接する防波堤というのが最高のポイントということになる。