潮風を思いっきり浴びながら楽しむ夏サーフでのキス釣り。今回は、使用するタックル・エサ・釣果を伸ばすコツなどを徹底解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 横山准司)
キスが釣れるポイント
シーズンに入るとキスは、エサを求めて活発に広く行動する。水温が低い早朝はエサが豊富な波打ち際まで近づいて捕食し、日中は水深のある所、波気のある場所、潮が当たる所、潮の流れのある所、小さな川の流れ込み、カルバートや消波ブロック周辺、河口周辺など水温が若干低く、プランクトンが多く発生するような所に移動する。
また移動する方向は、沖に向かって縦移動するときや横移動するときがあるので、ポイント探しは遠近だけではなく左右にも移動しながら探すことが大事だ。またシモリのある所や、岩礁のある所、離岸流が発生するような所もキスが好む。
キャスティングの方法について
キャスティングはいろいろなスタイルがある。ポイントを外すと極端に釣果が落ちるので、ポイントを的確に攻めることができる投げ方がベストだ。コントロールを意識したキャスティングは、オーバースロー、スリーコーター、V字など。
人よりも遠くに飛ばすことではなく、キスが釣れる場所に的確に仕掛けと運ぶことが大事だ。キャスティングは、コントロール重視のオーバースロー、スリーコーター、Ⅴ字投法がお勧めだ。
キスの釣り方
次にキスの釣り方を解説しよう。
誘いがキモ
キスの釣り方の基本は、誘いをかけて攻める釣りだ。キスがエサを見つけやすいように、ゆっくりと引いて目立たたせることが重要だ。キスはエサを吸い込んで捕食するが、止まっているときは吸い込みやすいが、吐き出しやすくもある。逆に動いているエサは吸い込みにくいが、いったん吸い込むと吐き出す前に掛かることが多くなる。
経験の浅い人は、キスのダイナミックなアタリにビックリして、慌ててサオを引いてしまうことがよくある。結果、アタリがあったのに釣れないということになる。キスは勝手にハリに掛かってくれるので、向こうアワセの釣りだ。大事なことはもっと別にある。誘い方と仕掛けを引く範囲、潮の時間帯だ。
キスは群れを釣る
キスは群れで行動する。アマモなど海藻がある場所はエサが豊富で、比較的長くとどまることが多い。潮の動きに合わせて縦方向(波打ち際から沖、またはその逆方向)に移動したり、潮の流れる方向へ移動したり、アマモが海岸に沿って生えているときは横方向へ移動したりと、エサを探しながら移動を繰り返す。
このため同じ場所で釣るのではなく、動きを推測しながら移動することが望ましい。釣り座を5m、10m変わるだけで釣れたり釣れなかったりするのは、これが理由だ。とにかく釣れないときは釣り座を変更しよう。
ベテランキャスターは遠投ができるので、広範囲を探れるが経験の浅い人はそうはいかない。届く範囲も狭い。しかし、それほど気にする必要はない。キスは移動を繰り返すので、常に遠くにいるとは限らず、波打ち際でも良型が釣れる。遠投できなくても、自分のエリア内で釣り方の工夫次第で釣果が変わる。
また、遠くへキャストできない人は1投の探る距離を短くし、探りの時間間隔を少し長くする。そうすることで仕掛けを長くポイントに入れておくことができる。
キス釣りの時間帯
釣れる時間帯について。私の釣る時間帯は、大方早朝の午前5時ころから午前中いっぱいが多い。この時間帯で満潮と干潮の両方の時間帯にサオを出せるからだ。
魚は潮の動きに敏感だ。潮止まり直前に急に食いが立ち、潮が動き始めると急に釣れることはよくある話だ。この時間帯を逃さず、頑張ってトライしてほしい。
連掛けを狙う
最後に連掛けについて。キスは群れで行動する。目的は捕食だ。エサを見つけると、当然群がってくる。連掛けの秘けつは1匹掛かったら仕掛けを止めず、探り続けてエサを追わせること。この探る速さをうまく調整すると、1匹のキスが複数のエサをくわえたりくわえなかったりすることができ、仕掛けも絡まない。ある程度経験が必要だが、基本仕掛けがまっすぐになるように、速さを調節することだ。
キスが掛かると当たりが強く出る。この当たりを数えることで、おおよその数を推測できる。数をカウントして、ハリ数分だけの掛けるのも、キス釣りの魅力の1つだ。
<週刊つりニュース中部版 横山准司/TSURINEWS編>