桜が散り、季節は春から夏へ。この時期に旬を迎える最もなじみ深い魚がアジだ。堤防のサビキで釣れる小アジからルアーで狙うアジング、船から狙う中~大アジなどさまざまな釣りが確立されているが、今回紹介するのは吹き流し仕掛けで狙う大型のアジだ。
大型アジを狙う
アジは年中釣れる魚だが、一般的に旬とされているのは5~7月。
湾内の浅いポイントでは、サビキ仕掛けで20~25cmの小~中型の数釣りが楽しめるようになる。
身にも上品な脂が乗り、食べて最もおいしくなるのがこの時期だ。
一方数より型を狙う釣法が、愛知県の大山沖や三重県の鳥羽沖で行われているテンビン吹き流し釣法だ。
サビキに比べて難易度はやや上がるが、くれば中型以上、50cm近いビッグサイズも狙えるのだ。
一般的に魚は大きくなればなるほど食味は落ちるとされているが、アジに関しては別。
大きくなればなるほど食味が良くなる。
入れ食いも楽しいが、狙ったタナにまきエサを打ちそれに仕掛けを同調させて釣った良型1匹は格別だ。
タックル&仕掛け
【タックル】
さて使用するタックルについて。
サオは常に手持ちで手返し重視で釣るため、7対3調子のやや先調子の船ザオが使いやすい。
長さは口切れによるバラシ軽減を考えれば3m前後はほしいところだが、持ち重りするため2.4m前後がお勧めだ。
オモリ負荷は50~80号といったところで、できるだけ鋭敏な穂先を持つものがいいだろう。
【リール】
合わせるリールだが、使用するオモリが60~100号と、やや重めのものなので手返しのスピードを考えれば中~小型の電動が望ましい。
【ライン】
中部圏では極端な深場を釣るわけではないので、巻いておくPEラインは200mもあれば十分だ。
太さは2~3号を目安に、先イトとしてフロロカーボンラインの6~8号を3mほど接続しておく。
先イトの役目は、ラインの穂先絡みを防ぐため。
PEライン直結だとライン自体にコシがないため、穂先に巻きつきやすく最悪の場合破損につながることも。
その先に結ぶテンビンは半月型のオーソドックスな片テンビンで、40~50cmのものを選んでおこう。
これにまきエサカゴとオモリをセットするわけだが、船によってカゴの大きさが指定している場合があるので、その場合は指定されたカゴを使うこと。
オモリはオマツリ防止のため、船中で統一することがほとんどだ。
【仕掛け】
テンビンの先にはアジの口切れ防止のため、1.5~2mmのクッションゴム30~40cmを付け、その先に2~3本バリの吹き流し仕掛けをセットする。
その仕掛けだが、静岡県の御前崎沖などは6~10mのロング仕様を使うことが多いが、伊勢湾近郊では長くても3mまでの、手返しとオマツリ防止を重視した仕様を使う。
もちろん自作もできるが、初めて挑戦するなら市販のものが無難。
ハリスはミキイト3号、ハリス2号が標準。
ハマチやマダイなどが食ってくる海域なら、ハリス2.5~3号、ミキイト4号の強めのものを選びたい。
ハリはさしエサを使わないなら、スキンやバケの付いたサビキ仕様のもの、さしエサを使うならヒラ打ちのアジバリや、口の奥の固い部分に刺さりやすいムツバリを使ったものを選ぼう。
前述したさしエサだが、食いのたっているときならバケやスキンだけの空バリだけで食ってくるが、少し食いが悪くなれば断然さしエサがあった方がいい。
さしエサはオキアミや3~5mm角のイカタンなどを使う。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>