落とし込み釣りでチヌ45cm 当て潮差して気配上昇【和田防沖新波止】

落とし込み釣りでチヌ45cm 当て潮差して気配上昇【和田防沖新波止】

夕マヅメを狙って和田防沖防波堤に渡提。落とし込みでチヌを狙ってきた。コブダイにラインを切られることもあったが、何とか本命を仕留めることができたので、その模様をお届けする。

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(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)

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堤防釣り 海釣り

チヌを求めて夕マヅメ勝負

6月20日、未明から昼前まで神戸港のポートアイランド沖一文字に釣行したが、中アジの釣果はあったものの、チヌ(クロダイ)は数回のアタリを全て空振りに終わった。「このままでは終わらない!」と、関西の釣り人なら殆どの人が知っているナレーションを頭の中で勝手に叫びながら、午後も第二ラウンドの釣行を決めた。神戸・和田防波堤沖新波止で夕マヅメのチヌを狙う算段だ。

正午過ぎに河内渡船に立ち寄り乗船手続きを済ませ、午後1時の便に乗り込んだ。船内は私を含めて3人だけだったが、全員がコロナ対策を意識してマスクを着用。私はいつものように自己防衛対策として、マスク、手指消毒液、薄手のゴム手袋、アルコールティッシュなどを持参した。暑さも増してくる時期でもあり、釣り場では周りの状況を見てマスクを外すこともあるだろうが、衛生面も考えて、マスクは交換用に数枚持参することを是非おすすめしたい。

落とし込み釣りでチヌ45cm 当て潮差して気配上昇【和田防沖新波止】和田防周辺(作図:WEBライター・伴野慶幸)

釣り場と渡船店

今回釣行した神戸・和田防波堤沖新波止は、正式名称を第1南防波堤といい、和田防波堤の白灯台から南の沖に見える全長約300mの防波堤だ。東向きはテトラ帯で、フカセ釣りや前打ちでチヌ、ミャク釣りで根魚が狙えるが、この時期は垂直壁面のケーソンとなっている西向きに釣り人が集中する。特に午前中は回遊魚狙いのルアーマンやノマセ釣りの釣り人たちが数多く居並ぶが、午後は人もグンと減って、落とし込み・ヘチ釣りの好釣り場に転じる。

今回利用した河内渡船はこのエリアの老舗ともいえる存在で、和田防、新波止、ポートアイランド赤灯波止の3か所に渡している。多くの常連から寄せられる日々の生きた情報のほか、ホームページも充実しており、フィッシングマックス神戸ハーバー店とも協力関係にあるので、情報収集や下調べには事欠かない。

なお、大阪湾の沖波止は全域で救命胴衣の着用が義務付けられているので注意のこと。

落とし込み釣りでチヌ45cm 当て潮差して気配上昇【和田防沖新波止】釣り場風景(提供:WEBライター・伴野慶幸)

エサとタックル

当日の釣法は落とし込み釣り。タックルは、3.9mの落とし込み専用ロッドに、ストライプカラーの落とし込み・ヘチ専用の2号ラインを巻いた落とし込み専用リールをセットする。ラインの先には市販の目印仕掛けを接続し、ハリス1.7号を直結する。ハリスは硬めのものがいい。ハリはチヌバリ3号で、チモトにはガン玉2Bをかませる。

エサはイ貝を別の場所で採取して持ち込んだ。動かないとはいえイ貝も生き物。適度に新鮮な海水に入れかえながらビニールバケツに入れて活かしておき、エサ箱には小分けして入れて探り歩くスタイルをお勧めしたい。

落とし込み釣りでチヌ45cm 当て潮差して気配上昇【和田防沖新波止】エサとタックル(提供:WEBライター・伴野慶幸)

アタリはチヌとは違う反応ばかり

当日は大潮で昼12時半ごろの干潮、その後は19時過ぎの満潮まで上げ潮となる。夕マヅメを攻めるには格好の潮まわりだ。波止に上がると先にいたヘチ釣りの人がサオを曲げた様が見えた。しかしすぐに渋い顔で「コブや……」と、カンダイ(コブダイ)の幼魚を釣り上げ、即リリースしていた。

カンダイも多いなと感じつつ、一通り準備を済ませた後は、しばしゴロ寝して体力を温存。午後3時ごろから、航路を通る観光船に目をやりながら、ぼちぼちと落とし込みを開始した。

北端のテトラ付近から、南端の灯台に向かって、壁面ぎりぎりにエサと目印仕掛けを落としながら探り歩き始める。南端の灯台付近には複数の釣り人がいるが、それ以外の場所はガラ空き状態。探れる場所は豊富だ。

30分ほどした頃に、タナ3ヒロ余りでクッと引き込むアタリ。聞きアワセを入れたが、魚はエサを放してしまった。イ貝の付け方は房掛けだったので、食い込みは良いはずなのだが、聞きアワセで簡単に放してしまったことに小さな違和感を抱いた。

さらに続けていくと、今度はカツカツッと貝をかじる感触が伝わった。ここで鋭くアワせたが空振り。その後もポツポツとアタリはあるが、貝の端だけを咥えただけだったり、小さな横走りを見せたりと、どうもおかしい。チヌとは違う反応ばかりのようだ。

落とし込み釣りでチヌ45cm 当て潮差して気配上昇【和田防沖新波止】壁面ぎりぎりを狙う(提供:WEBライター・伴野慶幸)

カンダイによる2度のライン切れ

「違和感の正体見たり!」となったのは、夕方4時前。突然、ロッドごと引きずり込むような物凄いひったくりのアタリがあった。ロッドをへし折らんばかりの剛引になすすべなく、ハリス結節部分で瞬殺のライン切れ。チヌではない。カンダイ特有のアタリだった。どうやらカンダイの成魚と幼魚が入り交じって壁面に付いているようだ。

房掛けではカンダイの幼魚を誘ってしまうと発想を切りかえて、イ貝の1枚掛けに付け方をかえてみた。重みのある房掛けと違って1枚掛けの場合は、エサの落とし方をサオ先でコントロールしないとエサが海中で不自然に回転して落下したり、上潮に流されたりと、魚に違和感を与えてしまう。

一定の速度で落としていく難しさを感じながら続けていくと、魚の反応が一気に減ってしまった。1枚掛けにしたおかげで、カンダイ除けは成功したが、チヌにも避けられたのではないかと不安がよぎる。

すると4時半前に、突如としてまた、ロッドごとひったくるかのような強烈なアタリがあった。今度は主導権を魚に握らせないぞとばかり、何とか立て直したまではよかったが、そこからの痛恨のライン切れ。しかも今度は目印仕掛けの途中から。心が折れそうになる。

落とし込み釣りでチヌ45cm 当て潮差して気配上昇【和田防沖新波止】カンダイにラインを切られることも(提供:WEBライター・伴野慶幸)

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