サカナの鱗はどこへ行く? 専門業者に取材をして分かった3つの再利用法

サカナの鱗はどこへ行く? 専門業者に取材をして分かった3つの再利用法

ほとんどの魚が有している「鱗」。一般家庭では「ゴミ」としての認識が強いのではないでしょうか。しかし廃棄される鱗の行方を追ってみると、意外な再利用法が見えてきました。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版編集部)

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お役立ち その他

サカナの鱗について

サカナの鱗には魚体を守る以外にも、水流の感知、栄養貯蔵といった様々な役割があります。

「サカナの『鱗(ウロコ)』が持つ4つの重要な役割 実は栄養保存場所?」を読む。

魚によってはまれに食されることもありますが、基本的には廃棄されることが多い鱗。「本当に使い道はないものか?」と疑問に思い、廃棄される鱗の行方を追ってみました。

鱗の再生利用事業がある?

では鱗が廃棄される場所はどこなのか。まずは家庭ですよね。魚を家庭で捌いて出た鱗はゴミ箱に直行、というのが一般的。そのまま生ごみや可燃ごみとして廃棄されてしまいます。

もう1つは事業系廃棄物。鱗を大量に廃棄しているのは水産加工業者等が挙げられます。一般家庭から廃棄される鱗を再利用するのは難しいですが、まとまった量ならば資源として再利用できそうな気がします。

詳しく調べてみたところ、どうやら鱗の再生業者があると判明。一体鱗がどのように再利用されているのか、鱗の再生利用事業を行っている鳥取県米子市の「カンダ技工」さんに取材してみました。

「カンダ技工」に取材

カンダ技工さんでは鱗に含まれる「コラーゲン」を活用した再生事業を行っています。国内では加工処理場から廃棄されるマダイ等の鱗を回収しているそうですが、ティラピア・スナッパーといった海外産の魚の鱗も一部使用しているそうです。

魚種によって鱗から抽出されるコラーゲンの量が違い、イワシなどの「軟らかい鱗」よりも、マダイなどの「硬い鱗」のほうが利用に向いているとのこと。

サカナの鱗はどこへ行く? 専門業者に取材をして分かった3つの再利用法主に硬い鱗が使用される(提供:週刊つりニュース関東版編集部)

鱗の再生例3選

取材してわかった鱗の使い道を3つご紹介。

サプリメント

海洋性コラーゲンの代表的な利用例がサプリメント。人体においてもコラーゲンは重要な成分の1つです。

サカナの鱗はどこへ行く? 専門業者に取材をして分かった3つの再利用法一部のサプリメントに使用(提供:photoAC)

コラーゲンは厳密には多くの型に分けられますが、市場流通量が多いのが豚などから抽出する「動物性コラーゲン」。魚皮や鱗から抽出されるのは「鱗コラーゲン(Ⅰ型コラーゲン)」と呼ばれ、動物性コラーゲンよりも体内で「ほどけやすい」性質を持っているので体にも優しいとのこと。

実は今飲んでいるサプリに鱗由来のコラーゲンが含まれている、なんてこともあるかもしれません。

化粧品・シャンプー

世の女性に欠かすことのできない化粧品。サプリメントと同じく、鱗に含まれるコラーゲンが含まれた化粧品が生産されています。

「鱗から作られたコラーゲンは臭いがしそう」という印象を持つかもしませんが、特殊な精製技術で無臭のコラーゲンが作られているとのこと。一部のシャンプーなどに海洋性コラーゲンが含まれており、保湿効果が期待できます。

サカナの鱗はどこへ行く? 専門業者に取材をして分かった3つの再利用法一部のシャンプーに利用されている(提供:photoAC)

また、現在は製造業者も少なくなっているそうですが、タチウオなどの光沢のある魚の鱗(タチウオの場合、正確には魚皮)を利用した化粧品も古くから製造されていたようです。タチウオの魚皮から抽出されるグアニンという成分を用いた「魚鱗箔」はパール系の光沢を持つ物質で、ネイル用品・ラメ材・模倣真珠の表面処理に利用されていたようです。

ペットフード

犬や猫用のペットフードにも鱗由来のコラーゲンが使用されています。特に成長スピードが早い犬は関節を傷めやすく、動物病院では処方箋にも使用されているとのこと。

サカナの鱗はどこへ行く? 専門業者に取材をして分かった3つの再利用法鱗コラーゲンをペットフードに活用(提供:photoAC)

また、ペット用のみならず、一部では養殖魚のエサとして使用されているそう。魚から取れたもので魚を育てる。ある意味で究極の再生方法のような気がします…。

普段何気なく捨ててしまう魚の鱗。調べてみると意外なビフォーアフターを遂げていました。

取材協力:有限会社 カンダ技工

<田口/TSURINEWS編集部>