今回は5月から6月にかけて全国で次々と解禁を迎えるアユのトモ釣りを紹介しよう。引き釣りと泳がせのハイブリッド「引き釣り泳がせ」とは?
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 藤本繁樹)
アユのトモ釣りの魅力
今年は近年にない事態で太公望たちにとっても大変な状況にある。しかし季節の流れは立ち止まることはなく、そして熱くなるアユも。この熱いアユ釣りを通して明日への活力とし危機を乗り越えていきたいものだ。
アユのトモ釣りは活きたアユをオトリに使って天然アユ(川にいるアユ=野アユとも呼ぶ)の縄張りに進入させ、野アユがそれを追い払うという習性を利用して掛けバリに掛ける釣り。釣ったばかりのアユをすぐにオトリアユとして使うので「循環の釣り」ともいわれている。
オトリを自由に泳がせておいても勝手にアユの居場所に向かうので放っておいても掛かることも多くあるが、オトリが元気なうちに次が釣れないとオトリが弱ってしまい釣りにならなくなる。また、効率良く釣るには自分の思い通りにオトリを操作して狙った場所に送り込んだり誘ったりする……そのためには技術が必要となる。それだけに奥が深く、多くのアユ釣りファンを魅了している。
ここ近年、地球温暖化の影響なのか、渇水、高水温、豪雨などで、ひと昔前の釣りが通用しなくなっており、他の釣りと同様、最先端の釣りは日々進化し続けているが、太古の昔から釣りバリの形が変わらないのと同じように基本は変わらないので基本をしっかりとマスターしよう。
アユの友釣りのタックル
アユザオといえば非常に高価なイメージがある。しかし、最近では手軽なものも多く販売されている。一日中持つものなので実際にお店で持ってみて自分に合ったものを見つけたい。
9mが標準。さまざまな長さ・調子(先調子・胴調子)・価格帯がある。感度・軽さはサオの価格に比例する。近年では支流などの小規模河川で釣りをする機会が多くなる傾向があるので7~8.5mを選択するのもよい。短い分、軽さ・感度も向上、価格もリーズナブルになる。
調子は重心が手元にあれば先調子、先に近ければ胴調子と考えればよい。胴調子は細イトが扱いやすく掛かった時に胴がしっかりと受け止めてくれ、抜きも緩やか。先調子は軽快でオトリの操作がダイレクトだ。感度は最低でもラインが張っている・緩んでいるかが目を閉じていても分かるものを選びたい。初めてならカタログを見ても分かりにくいので、取りまわしが良く持ち重り感の少ない先調子を選択するとあらゆる釣りに対応できるのでお勧めだ。