【九州2020】鮎トモ釣り攻略 ハイブリッド釣法「引き釣り泳がせ」とは?

【九州2020】鮎トモ釣り攻略 ハイブリッド釣法「引き釣り泳がせ」とは?

今回は5月から6月にかけて全国で次々と解禁を迎えるアユのトモ釣りを紹介しよう。引き釣りと泳がせのハイブリッド「引き釣り泳がせ」とは?

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 藤本繁樹)

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淡水の釣り アユ釣り

「引き釣り泳がせ」の釣り方

今回は引き釣りと泳がせ釣りのハイブリッド「引き釣り泳がせ」を解説したい。引き釣り泳がせは、ポイントの中で引いたり、サオを立てて泳がせたりを切り替える釣法。流れの強さによっては0.5号程度の小さなオモリを鼻先に付けオトリが泳ぎ過ぎないようにコントロールできる状態を作る場合もある。

オトリアユのつけ方

(1)手を水に浸して水温近くに冷やし、オトリを優しく握る。
(2)鼻カンの先を鼻にあて、一気に真っすぐ通す。
(3)逆さバリを尻ビレの後ろに皮をすくうように刺す。
(4)掛けバリの位置を確認する。

まずはオトリを付ける。腰を落としタモの下部を水に浸け、手を水で冷やし友舟からオトリを取り出してタモへ移す。

引き釣り泳がせでは引き釣りをベースにするため引き釣り同様、自分の沖にオトリが来るように送り出す。オトリを付けたらつかんだまま水中へ。サオを立て、オトリを自分の正面やや下流側に放しラインを張り気味にして沖に誘導する。

【九州2020】鮎トモ釣り攻略 ハイブリッド釣法「引き釣り泳がせ」とは?送り出しイメージ(作図:週刊つりニュース西部版 藤本繁樹)

その際、浅い場所なら水面直下を、水深がある場所では底近くの石裏を転々とさせるイメージで誘導するとオトリ操作がしやすい。この時に「ドカーン」と野アユが掛かることが多いので常に気を緩めないこと!

オトリがサオ下まで出たら、サオを上流側に寝かせてオトリを落ち着かせる。サオ先が目の高さ&視野に収まるぐらいとなるのが適切な位置と考えればよい。私は、サオ先~目印~狙いのポイントが視野に収まるような範囲で釣るようにしている。

引き釣り泳がせは、文字通り「引き釣り」と「泳がせ」のハイブリッドな釣り方。言い換えると引き釣りは「オトリを引っ張りまわす」ものではなく「上流に向けての泳ぎをスピーディーに演出」で引いてばかりではなく実際には泳がせてもいる。私の場合はその引き釣りをさらに応用させたものとして使う。特に流れが複雑なポイントにおいては必須となる方法。

基本は引き釣りでラインを張った状態をキープし、上流に向かってオトリを引きながら泳がせ、オトリを次々にポイントに通す勝負の早い釣りを進め、群れアユに遭遇したとき、大きな石裏に来たとき、流れが変化したとき、浅場に変わったときなど、泳がせに分があるポイントに進入した際に泳がせ釣りに切り替える。

例えば、引き釣りを実行中、オトリが突然大きく動き始めることがある。これは群れアユに同調しようとしているケースで、すかさずサオを立てて泳がせ釣りにチェンジする。オトリがドンドン泳いで群れに付いていくので釣り人がその動きに追従していく。ただし、掛かったときを考えてゆとりのある間合いを確保しておくこと。ゆとりがないと掛かった瞬間に一気にサオとラインが伸びきってそのままラインブレイク……。

また、引き過ぎでオトリが弱ったのを感じた場合も泳がせに切り替えてある意味オトリを休ませてやる。

引き釣りモードでは、腕で引かずに脚で引く。具体的には、構えたサオ(腕)を動かさないようにし、オトリの反応を感じながら一歩、また一歩……と上流方向に移動しながら「石裏から石裏へ」、そしてオトリの姿勢が真っすぐ(頭が底に向かないよう)のイメージで引いていこう。この時にラインが張る感覚、緩む感覚、いわゆる「ツンツン」となるような引き方をするとオトリが弱ってくるので気をつけること。

「ここぞ」と思ったポイントでは、ゼロオバセにしてオトリを止めたり、サオを立てイトフケ(オバセ、フクロ)を作って泳がせ釣りモードに移行したりする。途中、オトリを上下に動かすアクションを加えて誘ってみる。

魚は上流を向き常に上方に対して神経質なので、雑なサオの大きな動きがあると野アユは散ってしまうことがよくある。動かす際はゆるやかに操作するように気をつけよう。野アユは新鮮なコケが付く石の周辺に縄張りを持つ。カケアガリや溝、波立ちのある場所や複雑な流れなどを目安にオトリを通す。

近年は異常気象の影響で野アユが縄張りを持たずに群れで行動することも多く、特にシーズン初期にはその傾向が強い。この群れアユも狙えば掛かる。釣り人が持っているあらゆる経験と知識・技術を臨機応変に展開していくのが引き釣り泳がせの真骨頂ともいえる。

取り込み

アユが掛かると目印が一気にぶっ飛んだり、水中に引き込まれたりし、その衝撃が手元に伝わり思わず雄たけびをあげてしまうほどの興奮度。基本は「向こうアワセ」で、サオをしっかりと曲げておいて掛けバリを食い込ませる(タメる)。アワせると一発でライン切れとなるので要注意。

【九州2020】鮎トモ釣り攻略 ハイブリッド釣法「引き釣り泳がせ」とは?引き抜き(作図:週刊つりニュース西部版 藤本繁樹)

そしてサオを立ててラインが緩まないようサオをキープしているとサオのパワーで徐々にオトリ、そして掛かりアユが水面に姿を現す。次にサオの弾力を利用して掛かりアユを水から切る(浮かせる)とオトリ・掛かりアユが自分の方にゆっくりと飛んでくるのでタモで素早く、そして優しくキャッチしよう。

<週刊つりニュース西部版 藤本繁樹/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース西部版』2020年5月22日号に掲載された記事を再編集したものになります。