3月24日、愛知県・南知多町師崎港のまとばや丸でお世話になった。
当日のタックル・仕掛け
同行者は職場の後輩でもある長尾君。
私は右舷胴の間に釣り座を構え、長尾君は右隣。
私のタックルは、サオが『日本海根魚260/沖釣工房』、リールは『レオブリッツ300J/DAIWA』、ミチイトはPEライン2号。
仕掛けはミキイト4号、ハリス2号30cm、金袖9号の胴つき3本バリが支給された。
この支給品はよくできているというのが経験からの感想。
私はより良い釣果を求めて、ミキイトをフロロカーボンライン5号、ハリス2号30cm、枝間31cm、穴が広いダイワの『快適DビーズマーキングL/DAIWA』を使用。
チモトには緑の夜光玉とケイムラ玉を付け、金袖9号の自作5本バリ仕掛けで臨んだ。
この仕掛けのポイントは、
【1】ミキイト5号とハリス2号のアンバランスで、根掛かりした場合にハリスだけ切れて全体が助かる。
【2】枝が5本あるが、海底に近い枝から切れたり痛んだりしやすいため、状況に応じて仕掛けを短くしていける。
【3】金袖9号は細くて小さく、ハリを外す時など折れやすい欠点もあるが、根掛かりしたときに折れるか伸びるかで仕掛け全体の回収率が上がり、小バリゆえに食い込みがいい。
【4】穴の大きい回転ビーズを使うことで枝の交換が楽になる。
エサは冷凍コウナゴが支給された。
コウナゴが海中でクルクル回ると食いが悪くなるため、頭部の硬い部分から下顎へハリを抜き、チョン掛けにすることが回転防止には効果がある。
また、私たちは冷凍サンマを持参してコウナゴと併用した。
切り身も端にハリを掛けないと回転してしまうので注意が必要。
また、皮側から刺すとエサ持ちが良くなることも覚えておきたい。
午前7時50分スタート!
午前7時50分ごろにスタートとなった。
水深は55m前後。
1~2投はアタリがなく、船長も小まめに移動するものの、かなり渋い。
「今週は雨が続き、木曽三川から冷たい水が入ってきて色が悪いです。白くなっています。さらに、雨水の流入で二枚潮になっており、仕掛けがS字にもなってしまいます。昨日の強風で底荒れもしており最悪のコンディションです」と嘆きのアナウンス。
釣れない時間帯があるのは常だが、こんなに食わないのも珍しい。
午前8時30分前に「大きく移動します」との放送があった。
船長の経験に裏打ちされた引き出しに期待する。
航程約5分で野島出しに到着して、8時40分ごろに再開となった。
水深55m前後で、いきなり「乗りました」と長尾君の声。
20cm強の良型カサゴをゲット。
電動リールでの巻き上げ音に彼を見ると、同サイズを続けて上げていた。
私も海底にはわせた仕掛けをゆっくり上げるとググッと小さなアタリ。
23cm前後のカサゴで、天然の赤茶色が美しい。
型のわりにアタリが小さいのは食い渋り時の特徴だが、飽きない程度に釣れるので、野島出しへの移動は正解。
海の表面は穏やかで、気温も暖かくレジャー日和だ。
人間にとっては快適だが、相変わらず水は白っぽい。
きっと底は荒れが残っているのだろう。
そんな折、長尾君が2回空振りした。
「何で乗らないんですかね!?」と首をかしげる。
食いが悪いときのポイントは、まさにここ。
「アワせちゃ駄目だよ。特に今日みたいな日は食い込みが浅いから外れちゃう。
アタリがあったら糸を張り気味にして待ち、乗ってから上げるといいよ」とアドバイス。
すぐに彼は理解して2連チャンと逆襲。
「食い逃げ犯を逮捕しました」とご機嫌だ。
午前10時前に下げ潮へ
午前10時前、「間もなく満潮になり下げ潮に入ります」と船長から説明があった。
潮が動くタイミングは好転することが多い。
この時点で10尾を超えていたので、悪い状況だとはいえダブルツ抜け(20尾)は達成したいところだ。
ここまでの実釣から、当日は仕掛けを自然に漂わせる時間を短くして、その分広範囲を探る方が拾えることがパターンとしてつかめたので、その戦法で攻めていく。
具体的には、はわせる時間は5秒を目安とする。
着底直後、たるんだラインがスッと引き込まれ、よく引いて重量感がたまらない。
「きましたね」と長尾君も見ていて分かったようだ。
当日初のダブルで、続けて長尾君もおなかポッテリのカサゴを上げる。
私も単発ながら20cm前後をゲット。
先ほどよりも釣れる間隔が短くなってきており、アタリも大きくなってきた。
徐々に底荒れも収まりつつあるのだろう。
参考だが、私は帰宅後の調理を少しでも楽にするため、仕掛けを上げている時や移動時に、うろこを取ってしまう。
釣りと処理の両立は忙しいが、帰宅後の負担軽減になるのでお勧めしたい。
午前11時前、ガガンと大きなアタリ。
首振りもあるのでイネゴチだろう。
中乗りさんがタモを構えて待つ。
残り2m、水面下には赤色が見える。
正体は丸々と太ったでっかいカサゴだ。
すぐさま長尾君も大きくサオをしならせ、今度こそイネゴチかと思わせたが26cmカサゴ。
たまたまカサゴのピンスポットに2人の仕掛けが入ったのだろう。
野島出しで船長が選んだポイントは狭く、1流しで2投しか入れられない。
こういう場合は「はい、どうぞ」と投入のアナウンスで入れないと致命的。
1流しをほとんど無駄にしてしまうので注意したい。
目標のダブルツ抜け達成!
納竿時間が迫ってきた午後12時30分ごろ、目標のダブルツ抜け(20尾)を達成して一安心。
良型中心の釣果なので満足なのだが、欲が出て残り30分で1尾でも上積みしてやろうと仕掛けを新品にして気合を入れ直し、これが功を奏したのか3尾を追加でき23尾で終了を迎えた。
釣り始めは苦戦したが、ポカポカ陽気のなか2人とも大きなカサゴを釣ることができて楽しい釣りとなった。
当日の私の釣果はカサゴ17~26cm23尾で、良型ぞろいだったので満足感は高い。
余談だが、翌25日は海況も安定して爆釣だったとのこと。
自然は面白い。
今後の見通しだが、今年は春が来るのが早かったので水温の上昇も早く、それに伴いカサゴも浅場へ移動していき、ナギの日も多くなり釣りやすくなるだろう。
カサゴは年中釣れるが、浅場で食う季節は活性も高く、効率良く仕掛けの投入・回収ができ数も期待できる。
細かな技術がなくてもお土産分ぐらいは確保できるので、初心者や子供も十分楽しめる釣りだ。
<週刊つりニュース中部版 APC・鬼頭佳嗣/TSURINEWS編>
まとばや丸