多くの人の支えがあり、昨年は1都11県で竿を出すことが出来た。爆釣に笑った日や貧果に泣かされた日、身の危険を感じた釣行など思い出が尽きない。そのなかでも思い入れが深い地域をピックアップして紹介する。今回は風光明媚な駿河国・静岡県だ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース APC・中村直樹)
静岡県はヘラ熱高し
温暖地として知られる静岡県。日本一の富士山・日本一の茶処・日本一深い駿河湾と、何かと一番が多い。同県において”ヘラ釣り”というと、関東在住の人はピンとこないかもしれない。
だが静岡県は、団体トーナメント2連覇の偉業を達成し、日研最強軍団とも称される静岡静水会支部を輩出した地域なのだ。それほどにヘラ釣り熱は高く、魅力ある釣り場もトップクラス。
静岡県のヘラブナ釣り場
県東部には、地ベラが魅力の門池(沼津市)。
数・型ともによくて舟釣りも楽しめる早霧湖(伊豆市)。富士の麓でランカー狙いのみんな大好き田貫湖(富士市)などがある。
県央部には、抜群の魚影と頑丈な桟橋を完備して、数釣り勝負もできる鯨ヶ池(静岡市葵区)。
静かに楽しむならここ、意外な穴場の船越堤の婦池(静岡市清水区)がある。
県西部は激戦区
県西部は静岡のなかでも激戦区だ。良型地ベラが自慢で桟橋完備の野守の池(島田市)。
へそを曲げずに数・型狙える七曲の池(菊川市)。
浮き桟橋完備、気さくな常連と美味しい食事も楽しめる西大谷池(掛川市)。
ロケーションバッチリ、ここはダム湖か!?と思うほどの増沢池(浜松市)。広大なため池に無数の釣り台や桟橋が完備されている西の谷池(浜北区)などがある。
野釣り場が充実
この他にも紙面に掲載できない野池群は数知れずある。とにもかくにも野釣り場がたくさんあるのだ。逆に管理池や釣り堀は手薄で、静岡の釣り人は「管理池が多い関東に憧れる」と、口々に言うのだから面白い。
これだけ釣り場があって、その大半が入釣無料で楽しめるのも静岡県の特長。「金ばっか取りやがって」と、ごくまれに聞こえてくる関東の釣り場からすると、夢のような話だろう。考え方の違いなのだろうか、各自治体が「釣り場でお金を儲けよう」ではなく「釣り場は娯楽の施設」と、考えているように感じる。
このあたり面倒見がいいと言うか、世話好きと言うか、優しい人が多い静岡気質なのだろう。どこに行っても優しく出迎えてくれて、温かく送り出してくれる池が多いのも特長のひとつだ。
釣技では魚影の濃い関東の管理池と違い、野釣り場での例会が多いせいか、どんな釣りでもそつなくこなすイメージが強い。風が強い県西部では、ドボン釣りも毛嫌いせずに行っているし、若い世代と勝負するためか、どこの池でもベテラン勢が浅ダナ狙いでバシバシやっている。
また、ベーシックのエサを使っている人が目立つ地域でもある。今はなき”ふまつげん”があったからなのだろうか。
ご当地カラー豊かな静岡へぜひ
お国訛りも外せない。語尾につける「~だもんで」を付ける静岡訛りはド定番だ。ヘラ釣り用語では、底釣りを「床釣り」と呼ぶのも静岡県(西部)が境だろう。
ご当地グルメでは、だし粉をかけて食べる静岡おでんが個人的に大好き。最後の晩餐はこれだとも思っている。静岡県人のソウルフード・蕎麦屋のスマル亭、静岡にしかないハンバーグレストラン・さわやかも大好きだ。今期は暖冬であまり足が向かなかったが、思い入れが多い。突き抜けるような空と、富士山・茶畑・駿河湾。やっぱりいいとこだな~。
<週刊へらニュース APC・中村直樹/TSURINEWS編>