長らく不振にあえいでいた宮崎県の2020年メジナ事情。それが3月初旬から堰を切った様に好調に転じた。50cmを超える大型の情報をはじめ、20枚、30枚と最盛期を彷彿とさせる好釣果が入ってくるようになった。はやる心を抑え、釣行日を大潮の3月24日に選んだ。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・楢崎人生)
波よけの瀬は生命感無し
時間は午前10時30分。降ろされた瀬は確かに波の影響が少なく、テーブル状の足場で釣るには文句無しだが、如何せん潮が入ってこない。それどころか風による波が枯れ葉や枯れ枝を運んでは貯め、潮は淀んであぶくとなっている。コマセを打てども打てどもエサ取りすら寄らない始末。地形が波を防いではくれるが、肝心要の魚や潮の流れまで遮ってしまっては元も子もない。
昼食休憩の間も間断なくコマセを打つがイワシの子1匹浮いてくる様子もない。ヒラスズキを狙えるサラシも無く、青物が回遊してくるような潮の流れも無い。ジグで根魚を狙うも反応無し。釣りをするには快適でも、魚を獲るには厳しい環境だ。
諦めるには早すぎるが、父は正午に納竿。理由は魚が寄らないだけではなく、潮が変わってしまった為だ。潮の色が青黒い色から緑みの青へ変わるとどんな名人でも太刀打ち出来ない。潮が悪くなることは特に珍しい事ではないが、悪い条件の揃った今回は流石に成す術が無い。アカウミガメが水面へ顔を出したのを眺めながら本日の釣りはお開きとなった。
各々がにぎやかな釣果に
油津港へ帰港し、皆でクーラーの中を自慢しあう。中型のメジナを枚数で揃えた人。キロオーバーのメジナのみで揃えた人。61cm、5kg超のイシダイを釣り上げた人。メジナ以外にもイカ、シマアジ、イサキ、ヒラスズキと、メジナ前線の南進が遅かった分、海の中はすっかり春になっていた様な華やかな釣果となった。
長かった宮崎県のメジナ不漁
過去に例を見ない程遅くなった宮崎県のメジナシーズンがようやく開幕した。原因は不明のままだが、3月までかけて前線は無事に宮崎県の南端まで到達した。桜も開花し寒グレと呼ぶにはためらわれるが、宮崎のメジナシーズンは今が盛りだ。まだ暫くは好調を維持しそうなので、コロナウイルスの状況を見つつ釣行の予定を立てるつもりだ。
<楢崎人生/TSURINEWS・WEBライター>
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