世界中で数を減らしているウナギの稚魚(シラスウナギ)。日本以外でもその価格の高騰に苦しんでいる地域があるのですが、そこではとある食材が「シラスウナギの代用品」として活躍しています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
人造シラスウナギを実食
先日、スペイン帰りの友人に招かれて家にお邪魔した際、この「グーラス・アル・アヒージョ」を食べる機会に恵まれました。
オイル煮にされた「人造シラスウナギ」はサイズ・質感ともに本物のシラスウナギそっくり。「背中側」はイカ墨でグレーに染められており、芸の細かさを感じます。
食べてみると……味の方は予想通り「オイル煮にされたカニかまぼこ」といった感じでした。現地バル風に焼いたフランスパンに乗せて食べてみたのですが、日本人の悲しい性というべきか、どうしても「かまぼこらしさ」に意識が行ってしまい、微妙に違和感を感じました。白いご飯に載せたほうが、きっと素直に美味しさを味わえたでしょう。
ところで日本にも、ウナギの蒲焼きを模して作ったかまぼこ食材があり、ウナギの代用に使われています。遠く離れた2つの国で、それぞれ「かまぼこをウナギの代用にする」ことが行われていることに不思議な縁を感じました。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>