近年、めっきりと釣れる場所が減った、アブラメ(アイナメ)狙いの投げ釣り。2月初旬の大会で、良型アブラメが釣れていた徳島・吉野川河口へ出かけた。前情報通り、日が暮れるとキビレ、ガシラが活発に釣れ、夜明け過ぎに待望の本命、アブラメが姿を見せた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・長谷川靖之)
吉野川河口でアブラメ狙い投げ釣り
2月3日に全日本サーフキャスティング連盟大阪協会の初釣り大会が開催された。私も参加を予定していたが、諸事情により参加できなくなってしまった。私が所属するアワジフィッシングクラブからは8人が参加し、真冬で釣りものが少ない中、各所で奮闘し上位入賞を果たしたメンバーもいた。
そんな中で吉野川河口に行ったメンバーが良型のアブラメを数尾ずつ釣っていた。最近、アブラメが釣れる場所がめっきり少なくなったので、この実績を頼りに2月8、9日に吉野川河口に釣行した。
テトラ周りを狙う
2月8日の昼過ぎに堺市の自宅を出発。途中、エサのマムシを仕入れて吉野川河口には午後3時過ぎに到着。このポイントはテトラ上からの釣りになるが、アブラメはこのテトラの中に潜んでおり、時合いになるとエサを求めて動き回る。そのため、遠投ではなくテトラの先にチョイ投げをする事がアブラメを仕留める秘訣となる。
タックルは2種類
当日は硬調子の投げ竿と大型スピニングリールタックルを4セット用意した。2本はアイナメ狙いでPEライン5号の道糸に、先オモリ式の1本バリ仕掛けとした。ハリスは7号でハリは丸セイゴサーフ16号を使用。
もう2本は遠投でキビレ、スズキ、ニベを狙う。こちらの仕掛けはPEライン1.5号にPEライン素材のテーパーラインを結び、オモリは遊動式30号とした。
ハリスは7号を約1ヒロとり、その先にユムシコウジ17号のハリを結ぶ。エサはいずれもマムシでたっぷりと付ける。
暗くなると35cmキビレ
満潮に向けて潮が上がってきており良い感じだが、開始当初はなかなかアタリが出ない。前週にアブラメを釣ったメンバーは夜中に仕留めているので、暗くなってからが本番だろう。
まずは椅子に座ってのんびりと構える。すると午後6時を過ぎ、すっかり暗くなった頃に、河口方向に遠投した竿がグイッと押さえ込まれ、その後わずかにドラグ音が鳴った。しばらく待ってアワせると、頭を振るような感覚がPEラインを通して伝わってくる。これはキビレだろう。
遠投していたので巻き上げが大変だが、姿を見せたのは吉野川でレギュラーサイズの35cm。最後に写真を撮ってリリースするのでストリンガーに掛けて足元につけておく。すると今度はテトラ際の竿がたたかれるのが目に入った。慌てて竿を手に取って大きくアワせる。
テトラ狙いの竿にはガシラ
魚は掛かっているようだが、アブラメ特有の頭を振るような感触ではない。魚が浮いたところで海面をライトで照らすと大きな口を開けたガシラ(カサゴ)だ。これは28cmの良型。夜釣りだと警戒心も薄れてエサを求めて動き回るのだろう。
その後、満潮からの下げ潮が動き始めると、魚の活性がさらに良くなったようで、連続で35cmクラスのキビレが2尾と25cm前後のガシラが2尾ヒットした。しかし、下げ5分を過ぎて足元の沈みテトラが露出してくるとアタリが止まってしまった。
仮眠のつもりが寝過ごし・・
今度は夜明け前の満潮前後を釣るために体力の温存と言う事で、いったん道具を片付けて車に戻って仮眠する。ところが、スマホのアラームのセットを忘れてしまい、気が付けば午前7時。すっかり周囲は明るくなっている。「しまった~」と思いながら、慌てて道具をセットして釣りを再開する。