2月11日、三重・南伊勢町の贄浦(にえうら)へ出かけた。現地に到着すると、寒グレシーズンということもあり、港は磯釣りファンでにぎわいを見せている。ただ、海は前日の南岸低気圧の通過でウネリが残っており、沖磯には行けそうもない状況だ。
まずはタナ3ヒロから探っていく。
船長にあいさつを済ませ、午前6時半に出船、湾内磯へ下ろしてもらった。
足場の悪い小さな磯だが、波がこないのでありがたい。
さっそく仕掛けを準備して釣りを始める。
ウキは『ネオセレクトB/釣研』をチョイス。
まずは、タナ3ヒロから探っていく。
足元にまきエサを打ち、仕掛けを打ち返していくとウキに反応が出た。
アワセを入れると重量感があるものの頭を振っている。
どうやら、チヌ(クロダイ)のようだ。
案の定浮かせてくると、海面に銀色に光るチヌが浮いてきた。
サイズは45cmとまずまずだ。
続けて仕掛けを足元から流していくと、今度は海面に赤く光る48cmのきれいなマダイが浮かび上がった。
本命はもちろん、40cmオーバーのグレだが、マダイはお土産に持ってこいだ。
今日は爆釣なのかっ……?
この調子でどんどんいこうと、足元のサラシから仕掛けを流していくと、サラシの切れ目でウキがゆっくりと沈んでいく。
そのウキが加速して海中に消えていったところでアワセを入れる。
すると、アワセと同時に足元の根に向かって魚は走りだす。
これは本命のグレのようだ。
足元の根でラインブレークしないように、サオを突き出して走りを止める。
サオの弾力を使いながら徐々に浮かせてくると、今度は海面に青く光る本命のグレが浮いてきた。
取り込んで計測すると、42cmの口太グレだ。
釣れている時にタナを変更するのは勇気がいるが、さしエサの取られ方から、タナを3ヒロから2ヒロに上げて浅いタナを狙っていくと、今度は30cmクラスのグレ(メジナ)が連発した。
「今日は、爆釣するのか」と期待したのも束の間、8時半の潮止まりから、アタリがなくなった。
先ほど、釣れていたサラシの先端もまったくの無反応。
磯際をタイトに攻めていくも、これまたアタリはない。
そのうちに、北西風が強くなり、立っているのもつらい状況に。
時間だけが過ぎていき、お昼を回ったところで、久々にアタリが出た。
磯際でアタリをとらえたので、最初の走りで切られないよう、ラインは出さずにサオを立てて走りを止める。
運よく最初の走りを止めることができたので、そこからは根に触れないようサオを寝かして獲物を誘導する。
何度かの突っ込みにも耐え、浮かせてきた獲物は、これまた40cmを超える本命のグレだ。
タモ入れまで気を抜かず釣り上げた獲物は、41cmの口太グレだった。
それからは、またアタリが遠のいたが、最後に51cmのチヌを釣り上げて納竿となった。
今回釣り上げた40cmアップのグレは雄と雌で、白子と魚卵が入っていた。
産卵の個体が入ってきているようなので、産卵が終了するまでは、まだまだ大物が期待できそうだ。
ぜひ、寒さに負けずに磯へ行ってもらいたい。
<週刊つりニュース関西版 APC・黒瀬義人/TSURINEWS編>
和丸渡船