これから春までは一年で最も水温の下がる季節。そんな厳しい季節でも口を使ってくれるのが、ガシラにソイ、メバルといった根魚たち。今週のつり作戦は、そんな根魚たちをジグヘッドにエサをセットする釣りで狙ってみた。活性の低いこの時期でもアタリが得られるので、ぜひ近場の波止や港で試してみよう!
動きと匂いで誘惑せよ
今年は1月の中ごろから、数年に一度といわれる大寒波が何度も押し寄せ、陸上は近年まれにみる寒い冬を迎えている。
地上より温度の低下が1~2カ月遅れるといわれる海の中は、そろそろこの寒波の影響が出てくるころかもしれない。
とはいえ、そんな厳しい時期でも魚を釣りたいのが、われわれ釣り人。
そこで今週のつり作戦では、低水温期でも期待できるガシラ(カサゴ)、メバル、ソイといった根魚たちを攻略してみたい。
ただし、低水温に強い根魚たちとはいえ、決して活性は高くない。
そんな渋い魚を仕留めるのに注目したのが、動きで誘うルアーフィッシングと、嗅覚、味覚に訴えるエサ釣りのいいとこ取り、ジグヘッドにエサをセットする釣りだ。
きっと厳寒のこの時期から春までの、一年で最も水温の低い季節でも、これなら根魚の小気味いいアタリと、軽快な引き味を楽しめるだろう。
エサ
では、この釣りのキモともいえる、エサから解説したい。
この釣りで使えるエサは、アオイソメやイシゴカイといった生きた虫エサに冷凍のオキアミやキビナゴ、サンマ、サバなど魚の切り身、バッカンとブクブクが荷物になるが、シラサエビも効果的だ。
特に冷凍保存ができるオキアミやキビナゴ、魚の切り身などは、釣具店に寄らずに家から直行ができ、ワームを使うロックフィッシュゲーム感覚で楽しめる手軽さがうれしい。
もちろん、余ったら再度冷凍して保管もできる。
なお、アクションさせて魚を誘うので、刺し方には気をつけよう。
ポイント
ガシラやメバルはおおよそどこにでもいる魚。
近場の波止で狙える手軽さも魅力だ。
ただし、魚によって付き場があり、メーンターゲットのガシラは、ケーソンの切れ目、消波ブロックの中やその周り、波止の敷石、岩礁帯や海溝にへばりついて生活している。
一方、メバルはシモリや藻場周りに付いていることもあるが、どちらかといえば浮いていることが多い。
ベイトの集まる波止や岸壁の常夜灯周りが狙い目となる。
一例を写真で紹介しているので、参考にしてほしい。
ガシラの釣り方
釣り方はガシラを狙うかメバルを狙うかで少々かわってくる。
まずガシラの釣り方だが、先述したようにガシラは底や障害物にへばりついて生活している魚。
なので、底を取ることが基本となる。
軽くキャストしたらしっかり着底を待ち、確実に底を取ってからアクションを始めよう。
そのアクションは、軽くサオ先をシャクってエサを跳ね上げ、少しイトを巻き取って再び着底を待つ。
リグ(仕掛け)が着底したら5秒ほど止めて、ガシラがエサに食いつく間を与えてやろう。
これを数回繰り返すと仕掛けは足元まできているはず。
反応がなければ先ほどとは投入位置をかえ、別のラインを探っていく。
ひと通り探って反応がなければ、今度は釣り座を数m移動して、同じように探ってみよう。
ガシラは遊泳力の強い魚ではない。
エサを見つけて追いかけてくることはまずないと考え、こちらから積極的にアプローチしたい。
また、ガシラ狙いにおいて見落としてはならないのが、壁際。
岸壁に付いたカニや虫が落ちてくるのを、底で待っていることがあるためだ。
さらに、一見して壁と思われるケーソンも、水面下に棚や切れ込みが入っていて、そこに潜んでいることも多いのだ。
こんな壁際を狙う場合は、際ギリギリにリグを落とし、底からゆっくり巻き上げてくるのが基本。
【アタリ】
着底前に仕掛けが止まったり、巻き上げ途中でコツンときたりすれば間違いなくガシラのアタリだ。
アタリの出たタナは、付近に段があったり、えぐれていたりして、ほかにも魚が付いていることが多いので、覚えておいて、次投からそこでステイしてみるのも効果的だ。
アタリは、コツンと明確に手元に伝わることが多いが、セットしたエサによっては先っぽだけくわえていることも多い。
なので、コツンときたらすぐにサオを寝かせ、イトふけを出してやろう。
こうすることでテンションが抜けて、魚はエサを食い込みやすくなる。
【アワセ】
少し待ってから(根魚はエサを食べると根に潜り込むことが多いので待ちすぎはNG)サオ先で聞いてみて、まだ動きがあるようなら、サオを立ててアワせよう。
魚が乗ったら一気に巻き上げ、海面で魚体をチェック。
25cmくらいまでならそのまま抜き上げればいい。
それ以上になると細いラインではバラすこともあるので、タモの出番だ。
メバルの釣り方
続いてメバルの釣り方だが、基本は潮上にキャストしてゆっくりリトリーブするだけでいい。
ただ、日によってメバルの泳層が違うので、それを見つけるのがキモとなる。
具体的には、キャストして、着水したらすぐにリトリーブを始める。
厳寒のこの時期はメバルの活性も低いので、アクションはつけずにゆっくりとただ巻きで探るのがコツ。
反応がなければ今度は先ほどより少し深いタナを探る。
やり方は簡単、着水したらカウントを取ってから巻いてくるだけ。
5秒で反応がなければ次は10秒、15秒……と、少しずつ深いタナへと探っていこう。
【アタリとアワセ】
アタリがあれば、次投からはそのカウントのタナを集中的に攻めればいい。
この時期は、中層で反応が出ず、ボトム付近のデッドスローでアタリが出ることもある。
雑にせずしっかり探ろう。
また、ただ巻きでアタリが出ない場合に試したいのが、フォールを加える釣り。
ゆっくりただ巻きするのは同じだが、時折巻くのをやめてカーブフォールさせてやる。
こうすることで、横の動きに反応しなかったメバルが急に反応してくることもある。
ほかにも、ただ巻きに時折トゥイッチを入れる、巻きながらサオ先の位置をかえてリグの進行方向を微妙にずらす、なども効果的。
ジグヘッドを使っているので、やはりアタリは明確に出る。
ただ、エサの垂らしがある場合、即アワセでは乗らないことが多い。
やはりアタリが出たらイトふけを作り、食い込みを促そう。
中層でヒットした場合は根に潜られることもないので、しっかり食わせてハリに乗せたい。
タックル
最後にタックル選びだが、こちらもガシラ狙いとメバル狙いで少々かわってくる。
ガシラは重めのジグヘッドで底をダイレクトに攻めるのがキモとなるので、少々パワーのあるものが好ましい。
具体的には、メバリングやアジング用の強めのロッド、もしくはバスロッドやエギングロッドに、リールは2500番クラスを用意。
ラインはフロロカーボンライン6~10lbs、PEラインなら0.6~1号(PEラインの場合はフロロカーボンライン8~12lbsをリーダーとしてセット)で、ジグヘッドは3~7g。
一方、メバル用のタックルは、軽めのジグヘッドで中層を狙うので、より繊細なものが好ましい。
こちらはメバリングロッドやアジングロッドの6~7ftクラスに、リールはロッドとのバランスを考え2000番クラスを選択。
ラインはフロロカーボンライン2~6lbsか、PEラインなら0.3~0.5号(PEラインの場合はリーダーとしてフロロカーボンライン4~6lbsを1mほどセット)、ジグヘッドは0.5~4gほど。
何となくイメージできただろうか?ライトゲームのようにジグヘッドをアクションさせて魚を誘う釣りだが、エサが付いているため、究極誘わなくてもヒットする。
寒の時期の食い渋りだけでなく、いきなりワームで釣る自信がないライトゲーム入門者にもお勧めなので、ぜひ挑戦してほしい。
<週刊つりニュース関西版 編集部/TSURINEWS編>