初釣りはここ数年、石川県の能登外浦の磯前打ちと決めている。岩ノリがたっぷり付着した磯場のワンドで、〝いいもん〟を食っている大型クロダイを狙う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・金沢茅渟無双・椿下利春)
岩ノリが付着した磯がポイント
日本海特有の荒波で磯場は危険だが、岩ノリが付着している磯で1.5~2.5mの波高が最も良い条件となる。
磯場の表面を洗う流れ込みがあり、水深5mぐらいのサラシの出るワンド。ここにエサのカニを落すと、サオ先が一気に海面にお辞儀するか、モゾモゾ感のアタリが取れる。技術的なことはほとんど必要なく、ワンド内にカニを落とすだけだ。サラシの出たタイミングで落とせば高確率で食ってくる。
外道はフグくらいで、たまにカサゴも釣れる。エサが沈まないときはフグがカニをコツコツと…。
サラシのないワンドは釣れない
ポイントの見つけ方だが、サラシの出ている深そうなワンドで、表層に日本海の荒波によって剥がされた岩ノリが浮遊していれば間違いない。必ずクロダイがいる。サラシの出ていないワンドは絶対に釣れない。
波高3mになるとほとんどの磯場が釣行できなくなるが、風裏や少しでも高い所から打てる場所を選択している。どうしても打てないときは内浦の赤崎まで釣行する。
「ヨタ波」に注意!
そして必ず2人以上で釣行する。周期的にくる「ヨタ波」があるためだ。約30分に1回足元をさらう波が襲ってくる。釣りに夢中になり過ぎてヨタ波に気づかないこともあるので、釣友と声を掛け合って釣行する。もちろんライフジャケットは必ず着用している。
目の前のワンド内の水深が一気に下がったら、間違いなく大きな波がくる。それに気づいてから逃げても間に合わない。サオ先と沖に注意を払い、交互に見ながら釣りをしてほしい。
1月下旬までが盛期
この時期のクロダイは、岩ノリやウニをたっぷり捕食していておいしい。刺し身はもちろん、鯛しゃぶ、カルパッチョ風、アクアパッツァ風にアレンジして食している。釣友はユッケが一番うまいと言っていた。
能登半島の外浦を左側に海を見ながら車を走らせる。志賀町~門前町~輪島市の数カ所の磯場を波の条件を見ながらランガンすれば、どこかで銀ピカクロダイに巡り会えるだろう。シーズンは12月上旬~1月下旬が最盛期。2月に入ると一気にアタリが取れなくなる。
注意してほしいのは、コンクリートで磯を覆ったノリ畑の上は、漁業権等が関係するので絶対に歩かないように。また、フカセ釣りの人はマキエに注意しよう。
<週刊つりニュース中部版 APC・金沢茅渟無双・椿下利春/TSURINEWS編>