2020年は子年(ねずみどし)。サカナの世界にもネズミと名前が付く魚がいます。一体どんな魚がいるのでしょうか?調べてみました。
(アイキャッチ画像出展:PhotoAC)
名前にネズミが付く海の生き物
まずは名前に「ネズミ」が付く魚からご紹介していきます。子年の2020年はこの魚たちが主役になること間違いなしでしょう!
ネズミフグ
沖縄地方を中心に生息しているこのサカナは、みんなが良くご存じのハリセンボンの仲間です。
ハリセンボンの仲間では大きさは最大級。顔がネズミに似ていることから「ネズミフグ」と呼ばれるようになったようです。
沖縄では「アバサー」と呼ばれ、食材としても人気のあるサカナです。
ネズミゴチ
釣り人の間では「メゴチ」と呼ばれることもあるこのサカナ。顔がまさしくネズミのように細長いのが特徴です。
あまりスーパーなどでは流通しないので、食べる機会はあまり多くはありませんが、関東近郊では江戸前天ぷらの具材としても有名で、かなり高級なサカナと言えるでしょう。
キタマクラ(磯ネズミ)
八丈島限定ですが、「磯ネズミ」と呼ばれているサカナがいます。
一般的には「キタマクラ」と呼ばれており、非常に強い毒性を持つため、一口でも食べてしまうと死んでしまうことから、「キタマクラ」の名前になったと言われています。
八丈島では磯に多く生息していることと、顔がネズミのように細長いことから、「磯ネズミ」と呼ばれているようです。
ミッキーマウスプラティ
ちょっと変わり種ですが、名前の中に英語で「マウス」が付いているサカナがいます。
このサカナには世界中で愛されているネズミのシルエットが尾びれの模様に存在します。俗にいう隠れミッキー、見付けられますか?
漢字にネズミがつく海の生き物
ここまでは名前に「ネズミ」が付くサカナでしたが、ここからは和名の漢字に「鼠(ねずみ)」が入っている生き物をご紹介していきます。
キス(鼠頭魚)
こちらもネズミゴチと同様に天ぷらの具材として有名な「キス」。
漢字にすると「鱚」と表現されることが多いですが、【鼠頭魚】と書くこともできます。
見ての通り、キスの頭や顔がネズミに似ていることからこの漢字があてられているようです。
ネズッポ(鼠坊)
ネズッポというサカナはいませんが、サカナの「科」の中に「ネズッポ科」という科が存在します。
漁師の方々はその魚たちを総称して「ネズッポ」と呼び、漢字では【鼠坊】と表現しています。
これらのサカナに「鼠」が充てられているのは、他のサカナと同様に顔がネズミに似ていることに起因しています。
ナマコ(海鼠)
実はナマコは夜行性で、夜になると海底を這い回ることから「海鼠」と表現させるようになったと言われています。
這い回ると言えるほど速くはないし、すばしこいネズミとイメージが違うような気もします…が?
この他にも上から見た時のシルエットが、「ネズミの後ろ姿に似ている」、「色がネズミのような色」などの理由で「海鼠」と記すようになったとする説が存在するようです。
こんな生き物にもネズミが
実は同じ哺乳類にも関わらずネズミが付いている生き物が存在します。
ネズミイルカ
小型のイルカで背中の色がネズミ色で、お腹が白色をしており、顔も細長いのが特徴です。その多くの特徴がネズミと重なるため「ネズミイルカ」と名付けられたようです。
日本近海にも生息し、ホエールウォッチングの対処になることの多いこのネズミイルカは非常に人懐っこい性格をしています。
口が特徴的なサカナが多い
ご紹介した魚たちは比較的、顔がネズミに似ていることが多いことがわかるかと思います。
今年一年、これらのサカナを釣ったり、捕ったり、見かけた場合はなんとなくご利益があると思って大事に扱ってくださいね。
<近藤 俊/サカナ研究所>